今オフ最大のニュースと言えば、ケビン・デュラントのトレード要求に違いないだろう。

　昨年８月にブルックリン・ネッツと４年の延長契約を結びながら、この１年でデュラントの心境にどのような変化があったのか。勝てないチームへの苛立ちやフロント陣との確執など様々な噂が飛び交っているなか、昨季途中にネッツに加入しながら、故障や精神的な問題で一度もコートに立たずシーズンを終えたベン・シモンズも、デュラントが移籍を望んだ理由のひとつとなっているのかもしれない。

『FOX Sports』でNBAアナリストを務めるリック・ブッチャー氏によると、昨プレーオフのイースタン・カンファレンス１回戦、ボストン・セルティックスとの第４戦前に事件は起きたという。シリーズ戦績はネッツの０勝３敗、スウィープでの敗退の危機に追い込まれた状況下でのことだった。

「彼ら（ネッツの選手たち）は第４戦の前にチームチャットをしていて、彼（シモンズ）がセルティックスとの試合でプレーするものだと思っていた。聞いたところによると、ベンはチャットを退出したそうだ。ネッツの選手たちは彼に『プレーするつもりなのか？』と尋ねた。ベンはチャットを抜けた。彼はその質問に答えもせず、ただチャットを退出したんだ」
  　昨季のシモンズはレギュラーシーズン中こそコートに立つことはなかったが、プレーオフで電撃復帰する可能性も示唆されていた。だからこそネッツの選手たちは、シモンズにプレーする意志を確認したものの、シモンズはその質問に回答しなかったどころか、そのままグループチャットを退出してしまったという。

　この身勝手な振る舞いに対し、デュラントは怒りを通り越して呆れてしまったのかもしれない。ブッチャー氏がその時のデュラントの様子をこう伝えている。

「KD（デュラントの愛称）は『これが俺が契約を結んだものなのか？こいつが一緒にプレーしているヤツなのか？』って感じだったよ」

　今回の移籍騒動はデュラントを非難する声が多いものの、もしこのブッチャー氏のリークが事実なら、デュラントがチームに愛想を尽かし、退団を希望しても無理はないだろう。仮にトレードが実現せずネッツに残留しても、シモンズとの間にケミストリーが生まれるはずもない。遅かれ早かれ、デュラントとネッツは別々の道を歩むことになりそうだ。

構成●ダンクシュート編集部

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