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NBA

「ここで勝ちたい欲望がある」ビールがウィザーズ残留の理由を語る「忠誠は僕にとって大きな要素」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.08.30

ウィザーズ生え抜きのビールは今夏にFAとなったが、5年2億5100万ドルで再契約を結んだ。(C)Getty Images

ウィザーズ生え抜きのビールは今夏にFAとなったが、5年2億5100万ドルで再契約を結んだ。(C)Getty Images

 現地時間8月26日、ワシントン・ウィザーズでトップスコアラーを務めるブラッドリー・ビールのインタビューが、米メディア『Haute Living』で公開された。

 フロリダ大出身のビールは、2012年のドラフト1巡目全体3位でウィザーズから指名されてNBA入りし、昨季で在籍10シーズン目を終えた。

 今夏にプレーヤーオプション(PO)を破棄してフリーエージェント(FA)となったが、ウィザーズと5年2億5100万ドル(約346億3800万円)というMAX額の延長契約を締結。ドラフト指名されたチームと再契約を結んだ29歳は今季、ウェス・アンセルド(13シーズン)に次いで球団史上2位の在籍11シーズン目を迎える。また、あと1320得点でエルビン・ヘイズを抜いて通算得点で球団史上トップへ躍り出る。

 しかし近年のビールにはトレードの噂が耐えず、今夏の動向についてもPOを破棄して移籍、あるいはサイン&トレードでウィザーズを退団するという噂も聞かれた。

 そうしたなかで、ウィザーズとの長期契約を決断した男は、記事中でこう話している。

「僕のことをクレイジーだと見る人たちもいる。けど僕にはうまくいくようにしたい、それにここで勝ちたいというとてつもなく大きな欲望がある。このチームは僕をドラフト指名してくれた。彼らはもの凄く忠実で、僕はオーナーシップ、フロントオフィスの人たちとも最高の関係を築けているんだ」
 
 新陳代謝が激しい現代のNBAにおいて、ウィザーズはエースのビールとオーナーやフロントが良好な関係を構築している。ビールにとっては移籍という選択肢もあったが、“フランチャイズプレーヤー”という称号もポイントになったようだ。

「NBA選手として、そのキャリアをフランチャイズガイとして記憶されるチャンスは限られている。その機会を手にすることができ、そのポジションにいられるなら、僕は自分の物語を書くことができる。それがすべてさ」

 移籍やトレードが頻繁に起こり得るNBAで、ウィザーズ一筋でプレーを続けるビールは「忠誠というのは僕にとって重要な要素なんだ」という。

「最終的に、バスケットボールはビジネスなのさ。ドラフト指名された後にすぐさまトレードされることだってある。そこで忠誠心とは何なのかと疑問を抱いてしまう。でも僕はそう感じたことはキャリアの中で一度もないんだ。いつだってこのチームがどこへ向かっているのか、自分たちがやっていることについて正直な会話ができているんだ」

 現代のNBAにおいてオールスター選出経験がある選手でビールよりも長く同一チームへ在籍しているのはゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリー(14シーズン目)とクレイ・トンプソン(12シーズン目)のみ。

 直近8年間で優勝4度のウォリアーズに対し、ウィザーズはここ9年間でプレーオフへ5度出場も1回戦突破が精一杯で、チームとしての戦績には大きな差が生じていることは否めない。

 それでも、ウィザーズはビールを球団の核と評価し、MAX額という最大限の誠意を見せた。

 その思いに応えるためにも、今季はクリスタプス・ポルジンギスやカイル・クーズマ、ウィル・バートン、モンテ・モリス、八村塁といった同僚たちと共に強固なチームを作り上げ、2シーズンぶりのプレーオフ進出を飾りたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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