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NBA

レイカーズ低迷の“A級戦犯”はペリンカGM?米識者が指摘「レブロンの周囲をすべて放出してしまった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.11.10

2019年にレイカーズのGMに就任したペリンカ(右)。初年度にデイビスを獲得しチームを10年ぶりの優勝に導いたが、その後は悪手が続いている。(C)Getty Images

2019年にレイカーズのGMに就任したペリンカ(右)。初年度にデイビスを獲得しチームを10年ぶりの優勝に導いたが、その後は悪手が続いている。(C)Getty Images

 今夏にロサンゼルス・レイカーズは新ヘッドコーチにダービン・ハムを迎え、フリーエージェント市場ではロニー・ウォーカー四世、トーマス・ブライアント、デニス・シュルーダーらと契約。さらにユタ・ジャズとのトレードでパトリック・ベバリーを加えて新たなスタートを切った。

 しかし、チームは開幕から泥沼の5連敗。6戦目にデンバー・ナゲッツ、7戦目にニューオリンズ・ペリカンズを下し、調子をあげていくと思われたが、そこから3連敗を喫した。

 史上最高の選手に挙げられるレブロン・ジェームズ、攻守で試合を支配できるアンソニー・デイビス、リーグ屈指の万能ガードのラッセル・ウエストブルックを抱えながら攻守で機能せず、まったく勝てていない。

 彼らに改革が必要なのは明らかだが、球団はロブ・ペリンカGM(ゼネラルマネージャー)と2025-26シーズンまでの延長契約を結んでおり、チーム体制は彼を更迭でもしない限り変わらない。

 20年の優勝メンバーで、今もチームに残っているのはレブロンとデイビスの2人。昨季から残っているメンバーもこの2人と、ウエストブルック、ケンドリック・ナン、オースティン・リーブス、ウェニエン・ガブリエルの6人しかいない。

 名脇役だったアレックス・カルーソ(現シカゴ・ブルズ)やケンテイビアス・コールドウェル・ポープ(現デンバー・ナゲッツ)、ジャベール・マギー(現ダラス・マーベリックス)、若手有望株のカイル・クーズマ(現ワシントン・ウィザーズ)など、今もなお他チームで活躍している選手たちを、チームはFAやトレードで手放してしまったのだ。

 現地時間11月9日の米放送局『ESPN』の番組で、元NBA選手で現在はアナリストを務めるリチャード・ジェファーソンは、今夏にチームがペリンカGMと延長契約したことに疑問を呈している。
 
「一番混乱しているのはペリンカとの延長契約だ。『ペリンカは何をやったんだ?』って感じさ。あのチームのこれまでの動きを見てくれよ。ペリンカがやったことなんだ。延長契約を結ぶのにふさわしいのか?

 この20年間は、レブロンでどのようにして勝つかというのがお決まりのやり方だった。でも彼らは(レブロンの)周囲にいた選手たちをすべて放出してしまったんだ」

 昨季覇者ゴールデンステイト・ウォリアーズや一昨季に優勝したミルウォーキー・バックス、昨季ファイナルへ進出したボストン・セルティックスなど、現在リーグ最高級の戦力を誇るチームは、コアメンバーを長期間キープし、彼らにフィットする選手たちをフロントが見つけ出して強固なグループを形成させてケミストリーを醸成している。

 その観点から見てみると、レイカーズはレブロンとデイビスという2枚看板を完璧に補完できるロスターを形成できているとは言えない。ジェファーソンはその戦犯にペリンカGMを挙げたかったのだろう。

 9日のロサンゼルス・クリッパーズ戦にも2桁点差(101-114)で敗れ、2勝9敗(勝率18.2%)となったレイカーズ。リーグ全体でも彼らより勝率が低いのは、再建中のヒューストン・ロケッツ(2勝10敗/16.7%)しかいない。

 NBAの“キング”を抱えながら今後も泥沼状況が続けば、ペリンカGMが再びロスター変更に着手する可能性も十分あり得そうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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