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NBA

“ランTMC”は時代を先取りしていた?名手マリンが分析「あの頃のスタイルは、今のゲームのプレーの仕方だ」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2022.11.30

マリン(右)はリッチモンド(中央)、ハーダウェイ(左)と共闘したランTMC時代がキャリアで「最も楽しかった」という。(C)Getty Images

マリン(右)はリッチモンド(中央)、ハーダウェイ(左)と共闘したランTMC時代がキャリアで「最も楽しかった」という。(C)Getty Images

 現在のNBAでひとつのチームにスーパースター3人が揃う“ビッグ3”は珍しくはなくなったが、1980~90年代はデュオがメインの時代だった。
 
 そのなかで、わずか2シーズンの稼働ながら、強烈なインパクトを残したトリオがいる。ティム・ハーダウェイ、ミッチ・リッチモンド、クリス・マリンで形成されたゴールデンステイト・ウォリアーズの“ランTMC”だ。

 名将ドン・ネルソンの下、“ランTMC”は1989-90、90-91シーズンに共闘。特に90-91シーズンには3人とも平均20点以上(マリン:平均25.7点、リッチモンド:平均23.9点、ハーダウェイ:平均22.9点)をマークし、チームをウエスタン・カンファレンス7位の44勝38敗(勝率53.7%)に導いた。

 さらにプレーオフ1回戦では第2シードのサンアントニオ・スパーズを3勝1敗で下すアップセットを披露。カンファレンス準決勝でロサンゼルス・レイカーズに1勝4敗で敗れたとはいえ、ハイスコアリングトリオとして注目を浴びていた。

 91年11月にリッチモンドがビリー・オーウェンスを絡めたトレードでサクラメント・キングスへ移籍したことで、デュオは解体となってしまったが、3人の中で最も早い1985年にウォリアーズへ入団したマリンは『デイリー・ミラー』の独占インタビューで、当時はキャリアの中で「最も楽しかった」とし、バスケットボールにおいても時代を先取りしていたと振り返っている。
 
「ミッチ(リッチモンド)は88年に(ドラフトで)ウォリアーズに加わった。ミッチはNBAでスターになる準備ができていたし、平均20点以上(22.0点)で新人王を獲得した。そして翌年、(ドラフトで)ティム・ハーダウェイを迎え入れた。ティムはクイックネス、ショットメイク能力、タフネス、闘争心で初日から支配力を示した。

 2シーズンしか一緒にプレーできなかったのは残念だけど、我々は多くの興奮を生み出した。奇しくも、あの頃のスタイルは、30年以上が経過した今のゲームのプレーの仕方だ」

 マリンは88年から7シーズンの間、師弟関係にあった名将ネルソンの存在が大きかったと見解を述べている。

「ドン・ネルソンは先見の明があって、時代を先取りしていた。彼はミルウォーキー(バックス)でスタイルを築き、ベイエリア(ウォリアーズ)に来た。デイビッド・ロビンソン、アキーム・オラジュワン、パトリック・ユーイングといった、オフェンシブ・リバウンドを支配し、ポストアップするビッグマンがたくさんいた当時、我々はそのほとんどスモールボールで勝負していた」

 ウォリアーズは近年、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンを中心としたスモールボールでリーグ優勝4回を成し遂げた。

 ほかにもジェームズ・ハーデン(現フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)が在籍し、マイク・ダントーニ・ヘッドコーチが率いたヒューストン・ロケッツも本格派センターを置かない3ポイント主体のスタイルだった。そのパイオニアとも言えるのは、“ランTMC”だったのかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部
 
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