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NBA

キャリア最高のシーズンを送るヒートのヒーローが初のオールスター入りに自信「自分にはその価値があると思う」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.12.12

チーム最多、リーグ18位の平均24.2点を残すヒーロー。初のオールスター入りなるか。(C)Getty Images

チーム最多、リーグ18位の平均24.2点を残すヒーロー。初のオールスター入りなるか。(C)Getty Images

 今季のマイアミ・ヒートは開幕8試合で3勝5敗と出遅れたものの、現地11月18日以降の直近10試合は7勝3敗と浮上に成功。12月11日時点でイースタン・カンファレンス5位の12勝10敗(勝率54.5%)とプレーオフ出場圏内を維持している。

 チームにとって昨季までとは異なる点は、大黒柱のジミー・バトラーに代わってタイラー・ヒーローがトップスコアラーになっていることだ。3シーズン前の時点で、バトラーやバム・アデバヨを抑えてフィールドゴール試投数ではチーム最多を誇っていたヒーローだが、今季は開幕から好調を維持できている点が大きい。

 キャリア6年目を迎えたヒーローは、ここまで全22試合に先発出場し、いずれもキャリアハイの平均24.2点、5.0アシスト、フィールドゴール成功率47.7%、3ポイント成功率42.2%(平均4.2本成功)を記録。今月9日には自身初の週間MVPにも選ばれた。

 11日に地元メディア『Miami Herald』に公開された記事の中で、24歳のシューティングガードは今季のある“野望”を口にしていた。

「オールスターになりたい。それがリーグ入りしてからずっと目標だった。楽しみにしているよ。(そのためには)票を獲得しなきゃいけないね。だけど自分には間違いなくその価値があると思う」
 
 ヒーローのライバルとなるイーストのガード陣には、21勝4敗(勝率84,0%)でリーグ首位に立つクリーブランド・キャバリアーズのドノバン・ミッチェルとダリアス・ガーランド、15勝10敗(勝率60.0%)で4位にいるニューヨーク・ニックスのジェイレン・ブランソンや、6位ミルウォーキー・バックス(13勝11敗/勝率54.2%)のデイミアン・リラード、7位アトランタ・ホークス(14勝12敗/勝率53.8%)のトレイ・ヤングなど、有力候補がひしめいている。

 下位チームにも、インディアナ・ペイサーズのタイリース・ハリバートン、デトロイト・ピストンズのケイド・カニングハム、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのタイリース・マキシーといった好選手がおり、ファン投票でスターター入りするには高いハードルが存在する。

 それでも、チームがこのまま好位置をキープし、ヒーロー自身も現在の活躍を続ければ、各チームのヘッドコーチ(HC)投票によるリザーブ選出の可能性は十分ある。

 ヒートのエリック・スポールストラHCも、2019年のドラフト1巡目13位で入団して以来、成長を続けてきた教え子を高く評価する。

「タイラーの持つ野心は常にリスペクトに値する。彼の後押しをし、ベストな環境を作り出して、彼のプレーがその野望にマッチする位置へもっていきたい。その野心は彼の持つ異常な能力のひとつなんだ。彼の野心と練習熱心な姿勢、私はそれが大好きだよ」

 現時点でヒーローがオールスター初選出を飾る保証はどこにもないが、今季は例年以上に自信満々なプレーでチームを引っ張っていることは、リーグ全体にも浸透し始めている。選手として新たなステージへ進みつつあるヒーローの躍進に期待したいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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