メジャーの舞台で真価を発揮している。

　現地８月８日（日本時間９日）、ボルティモア・オリオールズの菅野智之は、本拠地カムデンヤーズでのアスレティックス戦に先発登板し、７回５安打１失点、４奪三振、３四死球と好投。チームを３対２の勝利に導き、今季９勝目（５敗）をマークした。日本人投手として10人目となるメジャー１年目での二桁勝利まで、あと１勝とリーチをかけた。

　この日、初回をわずか７球で三者凡退に抑えると、２回も無失点投球を続ける。先頭から連打を浴びた３回は二ゴロ併殺、死球、見逃し三振でなんとかピンチを脱出した。

　４回は５球で三者凡退に仕留める省エネ投球。続く５回に１死三塁から犠飛で１点を許すが、６、７回を無失点に抑えるなど、２試合ぶりにクオリティスタート（６回以上を投げ、自責点３以下）を達成。35歳の右腕はきっちりと先発投手の役割を果たした。
  　試合後、オリオールズを率いるトニー・マンソリーノ監督代行は、米メリーランド州の地元放送局『MASN』などの取材に応じ、「トモ（菅野）が素晴らしい仕事をしてくれた」と日本人右腕を称賛。「ここしばらくの間、ずっと良い投球をしている。スプリットが力強く鋭い。速球のキレも抜群だ。今日は、かなり強力な打線を抑え込んだ」と続けている。

　また、この試合で最速94.4マイル（約151.9キロ）を記録した点に関しては、「球威が格段に上がっている」と高く評価。「89～91マイル（約143.2～146.5キロ）で投げるのと、92～94マイル（約148.1～151.3キロ）で投げるのとでは、大違いだ。投球にキレがあれば、打たれづらく、失投してもなんとかできる」と球速アップの重要性を力説していた。

　次回登板での10勝目が期待される菅野。節目の勝利へ、オールドルーキーの視界は良好だ。

構成●THE DIGEST編集部

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