120年以上の歴史を誇るメジャーに新たなページが刻まれた。

　現地８月９日、MLBのレギュラーシーズンで史上初めて女性が審判を務めた。公式サイト『MLB.com』を皮切りに英公共放送局『BBC』でも取り上げられたほど、大きな反響となった。

　公式戦で審判を務めたのは48歳のジェン・パウォル氏だ。同氏はアトランタ・ブレーブス対マイマミ・マーリンズ戦のダブルヘッダー第１試合で一塁塁審を務め、第２試合では三塁塁審を担当。そして10日のカード最終戦では球審を務め、歴史的な第一歩を踏み出した。

　試合後、パウォル氏は「本当に信じられない。夢が現実になったわ。今でもその夢の中にいるような気分です。球界の仲間からも多くのメッセージをもらいました」と感慨深げに語り、職場環境を作ってくれたMLBに感謝した。

　選手や関係者からもパウォル氏の評価は上々のようだ。ブレーブスのリック・クラニッツ投手コーチは「簡単なことではない。彼女は見事にやり遂げたよ」と称賛。「歴史的な快挙を目の当たりにするのはいつも素晴らしいことだ。歴史上、一度しか起こらないことだから」と続けた。
  　マーリンズの先発投手カル・クアントリルは「僕は問題ないと思ったよ。パウォルさんは質の高い仕事をしたと思う」と振り返った。また、気になるストライクゾーンについては選手たちから不満の声は上がらなかったという。

　歴史的な試合の一部となったマーリンズのクレイトン・マッカロー監督は「ジェンは本当に素晴らしい仕事をしたと思う。彼女は球審として非常に冷静だった。試合をうまくコントロールし、管理していた。彼女にとっても、球界にとっても大きな１日となった。本当に素晴らしい成果だった」と絶賛の言葉を送った。

　指揮官は「いつかきっと、ジェンがフルタイムのメジャー・リーグ審判員になることを願っているよ」と期待のコメントを残した。

　MLB史上初となる女性審判員としてデビューを飾ったパウォル氏。『MLB.com』は「審判がスタンディングオベーションされることは滅多にない。しかし、ジェン・パウォル氏はそのうちの一人で、まぎれもなくその称賛に値する」と伝えている。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】MLBの歴史上、初めて女性審判員が試合を務めた実際のシーン

【記事】「WBC以来、２度目の対戦」大谷翔平vsトラウトに米メディア大注目！「エンジェルス対ドジャース、シリーズ最終戦でオオタニがマウンドに」