まさにエースの投球だ。

　現地９月25日、ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸が敵地でのアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦に先発登板。勝てば４年連続地区Vが決まる大一番で６回（94球）を投げ４安打７奪三振無失点の好投で12勝目。シーズン200奪三振も達成し、試合後は歓喜のシャンパンファイトに酔いしれた。

　初回は２つの三振を奪うなど、上々の立ち上がり。２回は２死から初ヒットを許したが、次打者を三球三振に仕留めた。

　３点リードした３回は四球と安打で１死一、二塁と初めて得点圏に走者を背負ったが、後続を抑え無失点に切り抜ける。大谷翔平の54号ホームランなど追加点をもらい、８点の大量援護をもらった４回は２死二、三塁と再びランナーをためたが、８番ティム・タワをカーブで三球三振とし、本塁だけは踏ませなかった。

　６回に先頭打者をスプリットで空振り三振に仕留め、シーズン200奪三振を達成。このあと２死から右前打を許したが、６番ブレイズ・アレクサンダーをスライダーで中飛に抑え後続を断った。
  　終わってみればダイヤモンドバックスを圧倒する内容で地区Vをもたらした山本。ドジャースの日本人右腕にはLA記者から賛辞が続々と届いている。

　専門メディア『Dodgers Nation』のノア・カムラス記者はレギュラーシーズン最終登板となった山本の投球内容を自身のXに記載。「ヨシノブ・ヤマモトはドジャース２年目のシーズンを、防御率2.49（リーグ２位）、173.2イニングで201奪三振（同６位タイ）という素晴らしい成績で終えた。まさに圧倒的な支配力だ」と称賛した。

　同じくドジャース番記者のブレイク・ハリス氏も山本の堂々たる成績に脱帽。特に投手の安定感を示す数値であるWHIP（１イニングあたりの与四球と被安打数の合計を表す数値「0.99」に注目。一般的に先発投手で1.20未満の数値であれば球団のエース級として十分な数値だと言われており、1.00以下だと球界のエースだと評価されている。ゆえに、「ヤマモトは野球界最高の先発投手のひとりだ」と、同氏は断言した。

　ドジャース先発陣のなかで開幕からローテを守り続けた山本。地区優勝を果たし、２年連続ワールドシリーズ制覇を目指すチームにとって背番号18の存在は頼もしい限りだ。

構成●THE DIGEST編集部

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