ナショナル・リーグ地区シリーズ（NLDS）は、ロサンゼルス・ドジャースがフィラデルフィア・フィリーズを相手に２連勝を飾り、早くもリーグ優勝決定シリーズ進出に王手をかけた。

　現地10月７日、地元日刊紙『The Orange County Register』のビル・プランケット記者は自身のXで「フィリーズの主軸コンビ、ブライス・ハーパーとカイル・シュワーバーが苦しんでいる。第１戦と第２戦の合計で14打数１安打、８三振という数字は、2023年にドジャースが味わった苦い記憶を呼び起こすものだ」と伝えている。
  　ドジャースは2023年のNLDSで、ムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンが３試合で計21打数１安打に封じ込められ、チームはアリゾナ・ダイヤモンドバックスに屈した。主軸打者が短期決戦で沈黙することの重みを、ベッツは誰よりも理解している。「あのどん底に陥ると、もがけばもがくほど抜け出せなくなる」と、当時の感覚を今も鮮明に覚えているという。今、その状況をフィリーズの主砲コンビが再現してしまっているのだ。

　どれだけ力のある打者でも、シリーズの数試合で結果が出ないだけで流れが大きく変わる。NLDSはまさに勢いの勝負。かつてのベッツ、フリーマンが抜け出せなかったスランプを、今度はフィリーズのスターたちがどう乗り越えるのか。シリーズの行方を左右する焦点のひとつとなりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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