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「年俸1.5億円→3000万円と大幅ダウン」鷹戦力外の“元侍ジャパン右腕”、NPB複数球団のオファーを断りKBO挑戦に韓国メディア注目「このキャリアでなぜ」「妻は韓国好き」

THE DIGEST編集部

2025.11.17

KBOSSGランダースに入団した元日本代表の武田翔太。(C)Getty Images

 11月16日、韓国プロ野球(KBO)のSSGランダースは、元ソフトバンクの武田翔太を獲得したと正式発表した。

 32歳右腕の武田は、宮崎日大からドラフト1位でソフトバンクに入団。4年目の2015年には先発として25試合に登板し、13勝6敗、防御率3.17をマーク。翌16年も27試合に先発して14勝8敗、防御率2.95と結果を残し、2年連続で2ケタ勝利を挙げた。NPB通算では217試合に登板し、66勝48敗、858奪三振、防御率3.34の成績を残した。

 武田は野球日本代表・侍ジャパンの一員として2015年の「プレミア12」や17年の第4回WBCに出場し、国際舞台でも存在感を示してきた。しかし、近年はケガに悩まされ、昨年受けたトミー・ジョン手術の影響もあって出場機会は激減。今季も1軍登板はなく、シーズン終了後には高校卒業から14年間在籍したソフトバンクから戦力外通告を受けた。

 そんな武田のKBO挑戦について、韓国メディア『スポーツ朝鮮』のナ・ユリ記者は「このキャリアで、なぜKBOリーグに来る選択をしたのか? SSGが日本人の大物アジア枠選手を獲得した」と題した記事を掲載。「NPB通算66勝を挙げた本物の実力者だ。入団当初から 『二代目ダルビッシュ』と呼ばれるほど期待されていた。ソフトバンクを去ったとはいえ、武田ほどの実績を持つ投手が韓国に活躍の場を求めるのは意外といえる」と報じた。
 
 続けて、同記者は「今季のソフトバンクからの年俸は1億5000万円。一方、来季のSSGでの年俸は約3000万円と大幅ダウンだ。しかも武田には複数のNPB球団からオファーがあった。先発5~6番手として十分戦力になると評価されていたにもかかわらず、武田はソフトバンクを離れた直後、自らSSGに連絡。韓国挑戦を選んだのである」と驚きを示した。

 さらに同メディアは武田について、「"KBO行き"は決して思いつきの決断ではない」と指摘。その根拠として、「契約が決まった後、本人はすぐに仁川を訪れてSSGの施設を視察し、トレーニング環境まで細かくチェックしていた。また、鹿児島で行なわれたSSGの秋季キャンプにも自ら足を運び、イ・スンヨン監督ら関係者に直接あいさつするなど、準備へのこだわりは徹底している」と伝え、これには「単なる外国人選手として来るのではなく、『チームの一員』として戦う覚悟を行動で示した」と現地記者からも好印象のようだ。

 同キャンプで対面したSSGのイ・スンヨン監督も「鹿児島で直接会ったが、とても良い印象だった」とコメント。同記者によると、「イ・スンヨン監督は来季の先発ローテーション候補として武田の起用を検討している」と伝えた。

 武田のリハビリ状況について、同記者は「アメリカでの冬の自主トレを経て、(チームの)フロリダキャンプに合流する予定。トミー・ジョン手術後は2年目のほうが状態が上がることが多く、今年のリハビリ登板では最速149キロを記録。来季開幕時には150キロ超えが期待されている」と復活に期待を寄せた。

 最後に同記者は武田のプライベートについても言及し、今後は「家族と飼い猫と共に韓国で生活を始める予定。妻は韓国が好きで、楽しみにしている」と綴った。新天地・韓国で復活を目指す武田の新たな挑戦から目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】武田翔太、韓国プロ野球・SSGランダースのユニホーム姿
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