ニューヨーク・メッツの千賀滉大にトレード放出の噂がつきまとっている。故障の影響から後半戦で白星を挙げられなかった今季の内容、さらに若手投手の台頭もあって、日本人右腕がトレード候補に挙がっているのだ。しかし、先発投手としての評価は決して低くなく、移籍市場において貴重な補強要員に位置付けられている。

　そんな千賀について、米スポーツメディア『Sports Illustrated』でニューヨーク・ヤンキースを担当するライラ・ボーク記者が、先発ローテーションの強化が見込める存在であるとしてトレードでの獲得を求めた。

　来シーズンのヤンキースの先発陣は、カルロス・ロドンとゲリット・コールがともに肘の手術明けで開幕に間に合わない状況だ。ボーク氏は「先発の穴を埋める重要なイニングを投げられる存在が本当に必要」と主張。その候補が千賀であり、「戦力価値と耐久性には懸念があるが、ヤンキースが彼の持つ能力を信じるなら、その状況はむしろ有利に働く可能性がある」と期待を寄せた。

「シーズン終盤の不調を受け、千賀の獲得コスト（トレードの対価）は法外なものにはならないだろうし、契約が『残り２年3000万ドル（約47億円）』と手頃であることも、ヤンキースにとって魅力的なポイントだ。ニューヨークでメディアの注目を浴びることにも慣れている」

  　もちろん投手としての実力も称えている。「MLB通算285イニングで防御率3.00という実績を持ちながら、いまや割安で買える。2025年の奪三振率は22.6%と、23年の29.1%から大きく低下したものの、ゴロ率が47.6%と高い数字を維持しつつ、空振り率も27.4%を記録。打者の非期待打率を.227に抑えた」と各スタッツを記載。それぞれが十分な数字だと評してる。

　現地メディアの分析を見る限り、故障に悩まされながらも千賀の好調時のピッチングが強い印象を残してきたことは明らか。今オフの間、その腕を求める声はさらに大きなものになるだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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