ロサンゼルス・ドジャースのウィル・スミスが、2026年シーズンから本格導入される自動ボール・ストライク判定（ABS）について自身の考えを示した。現地11月24日、ドジャース地元メディア『Dodger Blue』が、スミスが出演したポッドキャスト番組「On Base With Mookie Betts」での発言を報じている。
　
　ABSは、球審が従来どおりストライク・ボールをコールする一方、選手がその判定に対して即時チャレンジできる仕組み。チャレンジは打者、投手、捕手のみが可能で、判定後２～３秒以内に行う必要がある。
  『Dodger Blue』によると、スミスは「選手としては、もちろんすべての判定が正しくあってほしい。投手としても打者としても、ミスジャッジで損はしたくない」としつつ、「でも、野球には“人間らしさ”があるべきだと思う」と話した。
　
　スミスは続けて「外角３インチ（約7.6cm）外れているのにストライクと言われるのは嫌だね」と、正確性を求める一方で「時には自分に有利な判定もある。そして、時には悪い判定を受けても、それを受け入れて前に進む。そういう部分が野球の魅力でもある」と、野球の伝統的な要素を強調した。
　
　さらに、スミスは制度の影響が若い世代に及ぼす影響にも懸念を示した。「メジャーリーグではABSが導入されても、リトルリーグにはない。子供たちは、僕らが良い判定や悪い判定をどう受け止めているのかを見られなくなる。それが野球全体にどう影響するのか心配だ」と話したという。
　
　ABSの導入は判定の正確性向上につながる一方、野球が持つ“人間らしさ”を失うかもしれない。その狭間で揺れるトップ選手としての率直な思いが、スミスの発言には表れている。
　
構成●THE DIGEST編集部

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