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【DeNA】中東ドバイに誕生した新リーグで川﨑宗則、中島宏之と濃密な1か月 「考えて行動できる」19歳・田内真翔が手にした『宝物』

萩原孝弘

2025.12.25

今オフに中東のドバイで行なわれた新リーグに挑戦したDeNAの田内。写真:萩原孝弘

今オフに中東のドバイで行なわれた新リーグに挑戦したDeNAの田内。写真:萩原孝弘

 19歳の若武者が、異国の地で確かな手応えを掴んだ。DeNAの若手内野手・田内真翔は今オフ、中東のドバイで誕生した新リーグ「ベースボール・ユナイテッド」に参戦。レジェンドたちと同じ舞台に立ち、実戦と反復練習でレベルアップを果たした。プロ2年目へ向かう若手が、砂漠の地で得た『宝物』を探る。
 
☆名コーチも認める“野球の虫”

 プロ1年目のシーズンを終えたDeNAの若手内野手・田内真翔。高卒1年目ながらファームで80試合に出場し、252打席で打率.253。数字以上に非凡な野球センスを印象づけた。

 ファームで練習に付き添った石井琢朗コーチ(来季から読売ジャイアンツ二軍監督)も、その姿勢を高く評価する。「高卒の新人でシーズンを完走しましたし、本当によく練習していました。新人でも一軍の試合を視察する機会があるのですが、その後もひとりで観戦に行ったりと、意識の高さを感じました」

 シーズン終盤には一軍に昇格。10月1日、待望のプロ初ヒットを放つ。「追い込まれてからのスライダーを打てるなんて、自分でもびっくりでした。でも1本打てるかどうかで、来年に向けての気持ちは全然違いますからね」。安堵と自信が入り混じった笑顔が、明るい未来を感じさせる。

 そんな“野球の虫”がオフの武者修行の場に選んだのが、中東・ドバイで誕生した新リーグ――ベースボール・ユナイテッドだった。

☆砂漠の地を選んだ理由

 メジャーリーグのレジェンドたちが出資し、中東・南アジアでの野球普及を目指す新リーグ。田内は明確な理由を持って異国へ飛んだ。

「台湾という選択肢もありましたが、日本の野球に近いと感じましたし、海外ならではの派手さや、独特のピッチャーを経験したかった。ファームでは外国人投手にうまく対応できなかったので、そこを克服したかったんです」

☆レジェンドとの出会い

 所属したのは、日本人選手が多く在籍するミッドイースト・ファルコンズ。そこには、川﨑宗則と中島宏之という、日米で実績を積み上げてきたレジェンドの姿があった。

 プロ1年目で頭角を現わした要因には、もちろんDeNAコーチ陣の尽力もある。ただ“生きる教科書”の存在は、それとは違う刺激があった。

 バッティングでは、同じ右打者である中島の技術に圧倒された。「本当に“技術の塊”だなと。あれだけ努力を重ねてきたからこそ、長年結果を残してきたんだと感じました」。夜はホテルの部屋で野球談義が続くこともあった。すると翌日の10月2日、白球はフェンスを超えた。待望の1号ホームランに「中島さんのおかげです!」と声を弾ませる。

 技術論からプロとしての姿勢まで、19歳にとってはすべてが吸収すべき教材だった。
 
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