プロ野球

【岩本勉のセ・リーグ順位予想】優勝は選手層の厚い巨人。だが、矢野監督の優勝宣言が飛び出した阪神の勢いも見逃せない

THE DIGEST編集部

2020.03.22

岩本氏は巨人のリーグ連覇を予想。山口俊が抜けた穴は、その機を待っていた中堅選手が埋めてくれるのではないかという。写真:滝川敏之

 3月20日に予定されていたプロ野球の開幕が、新型コロナウイルスの影響で4月10日以降へ延期された。現時点で再開の見通しは示されていないが、過去に例を見ない変則的なスケジュールになるのは間違いないだろう。そんな過酷なシーズンを、野球解説者たちはどう見ているのか。日本ハムOBの岩本勉氏に、今季の順位を予想してもらった。

【岩本氏のセ・リーグ順位予想】
1位 巨人
2位 阪神
3位 DeNA
4位 広島
5位 中日
6位 ヤクルト

 巨人は山口俊が抜けたから、と言いつつも、やはり選手層は厚い。そんなに痛手を負っているようには見えません。むしろそうやって主力選手が抜けるのを、今か今かと待ち構えていた中堅選手が何人もいて、十分穴埋めができるはず。なので連覇の可能性は高いと見ます。

 阪神は昨年終盤の追い上げがすごく大きい気がします。選手たちがあれで勝ち方というものを感じてくれたのではないかと。それに矢野監督もその気になって、今年は「優勝します!」と宣言までしている。「優勝目指して頑張ります」という決まり文句はよく聞くけど、「優勝します」「優勝できます」とあれだけ公言できるということは、優勝争いできるチームを作れている、という確信がある証拠だと思います。だから、勢いに乗れば巨人を倒して優勝できるかもしれません。
 
 阪神に勢いがありそうなことや、筒香嘉智(タンパベイ・レイズ)が抜けた穴もあってDeNAは3位と予想しましたが、ポスト筒香に名乗りを上げる選手たちの台頭も著しい。それにラミレス監督の下でチームに底力がついており、そういう意味でも注目です。

 広島は岡田明丈など、一昨年のリーグ三連覇達成の時には活躍したけれども、昨年は不振をかこったピッチャーたちが復調しそうな話があまりなかったです。なので今年も引き続き、ちょっと苦しみそうな気配があります。

 中日は、話題が根尾くらいしかない。主力も高齢化しつつあるし、思い切ってチーム改革をするべきなんじゃないかと思います。 

 ヤクルトには「ヤクルトの戦い方」というものが見えません。でも、それは高津臣吾新監督の就任でガラリと変わる可能性はある。それだけに未知数の部分もあって、戦い方さえ定まれば「ヤクルト大旋風」が巻き起こる可能性はある。それだけにダークホースという見方もできます。

解説●岩本勉

【プロフィール】
いわもと・つとむ/1971年生まれ。阪南大高を経て90年ドラフト2位で日本ハムに入団。98年から2年連続2ケタ勝利を挙げ人気・実力ともにチームのエースとして活躍。通称「ガンちゃん」としてファンから愛された。 05年を最後に現役を引退し、現在は野球解説者・スポーツコメンテーターとしてTV、ラジオを中心に幅広く活動中。