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MLB

【MLB今日は何の日】65年に“世界8番目の不思議”アストロドームが開場。03年にグリーンモンスター席が登場したのもこの日

出野哲也

2020.04.12

今では当たり前の存在になったドーム球場だが、65年にアストロドームが開場した頃は“世界8番目の不思議”と騒がれた。(C)Getty Images

今では当たり前の存在になったドーム球場だが、65年にアストロドームが開場した頃は“世界8番目の不思議”と騒がれた。(C)Getty Images

 4月12日は奇しくも、ボールパークにまつわる2つの歴史的な出来事が起きた日である。

 まず1965年4月12日、世界初の室内野球場アストロドームで初めてMLBの試合が開催された。その3日前からエキシビジョンゲームは行われていたが、公式戦はこの日のヒューストン・アストロズ対フィラデルフィア・フィリーズが最初である。0-2でアストロズは敗れたけれども、4万2652人の観客の大多数は試合の結果よりも、“世界8番目の驚異”を経験できた興奮に浸りきっていた。

 62年にナショナル・リーグに加盟したヒューストン・コルト.45sは、最初の3年間は屋外球場のコルト・スタジアムを本拠として使用していたが、新球場の完成を期にアストロズと改名。ドームの正式名は「ハリス・カウンティ・ドームド・スタジアム」だが、球団名をとってアストロドームと呼ばれるようになった。
 
 ドーム球場の構想はこれより前にも存在し、ロサンゼルス・ドジャースやニューヨーク・メッツが検討したものの実現には至らなかった。それでも夏の暑さが厳しいヒューストンでは、エアコンを完備した屋内球場が望ましいとあって、コルト.45sの結成が決まった時点から計画がスタート。オーナーのロイ・ホフハインツが座席の色からダグアウトの大きさまで細かく指定し、3年の歳月と約3500万ドルの総工費を投じた新球場は、ミニゴルフコースやボウリング場をも備えた一大娯楽施設として完成した。

 さっそく大評判となったアストロドームには、一つ誤算があった。天然芝の育成に必要とのことで、天井は透光性の材質で作られていたのだが、フライが捕球しづらいとの苦情が選手から相次いだのだ。そこで塗料を使い光を遮るようにしたところ、今度は芝が枯れてしまう。この問題を解決するために開発されたのが「アストロターフ」と呼ばれた人工芝で、ドームはもう一つの新機軸を球界にもたらしたのである。
 

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