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サイン盗みで処分を下されたレッドソックスに“ビッグパピ”は「誰もがやっている」と猛反論! A-RODも「基準が曖昧」と提言

2020.04.25

球史を代表する大打者、A-ROD(左)や“ビッグパピ”(右)はサイン盗みに関して「持論」を展開した。(C)Getty Images

 MLB機構は22日、2018年世界一のレッドソックスが映像機器を使用してサイン盗みを行っていた事実を断定。同球団の今季ドラフト2巡目指名権の剥奪と、主犯格とされるビデオリプレー担当TJ・ワトキンスの職務停止を言い渡した。

 この裁定を巡っては、「処分が軽い」「甘すぎる」との批判も聞かれるが、レッドソックスを3度世界一に導いた通算541本塁打を誇る大砲、"ビッグパピ"ことデビッド・オティーズは「リーグではだれもがやっていること」と猛反論。古巣を徹底擁護する姿勢を見せた。

 24日に行われた『FOXスポーツ』の番組に出演したオティーズは、「レッドソックスへの処罰はフェアだったのか」というテーマを迎え、怒り心頭の様子。「機構はアストロズがやったことを、レッドソックスもしたのではないかと調査していたが、両者の状況はまったく違う」と力説。

 レッドソックスもアストロズも本拠地後方に設置されたリプレー検証用のカメラを使ってバッテリーのサインを解析した点は共通しているが、アストロズの場合は判明した球種をダグアウトのモニターに映し出し、それを見た選手がゴミ缶を叩いて球種を知らせるものだった。対してレッドソックスの場合は、事前に解析したサインを一部選手に情報提供し、その選手が二塁にいた時に限定され、頻度もさらに低かったとされている。
 
 こうした点を踏まえ、オティーズは「(ビデオ担当の)ワトキンスがキャッチャーのサインを見たことで職務停止になった。球種を選手に伝えて、選手がその情報を使ったからって? そんなことはみんなやっている。俺はそれをチートとは言えない」と続けた。

 同じ番組でパーソナリティを務めるアレックス・ロドリゲスも、オティーズの意見に部分的に同意した。「どこまでが許されて、どこからが許されないのかが曖昧」としながら、自身が現役時代も相手の球種を読もうとしていたという。

 さらに、シアトル・マリナーズに在籍していた時、最多盗塁記録を持つリッキー・ヘンダーソンからも、塁に出た時にサインを「盗む」ことの重要性を説かれたそうだ。だからこそ、「MLBは(曖昧になっているサイン盗みの)境界線をはっきりさせるいい機会」と提言している。

 最後に、オティーズは"ズル"を認めるような印象に捉えられるかもしれないが、彼は「チートは公平ではない」という考えだ。「選手がキャッチャーからのサインを解読して、打者に伝える行為はずっと前から行われてきた」と、件のケースはあくまでチートではない、というのが彼のスタンスである。

構成●SLUGGER編集部

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