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プロ野球

「世代」で見る西武の選手層――源田・外崎らの92年組が最大勢力。投手陣は高橋と松本の相乗効果に期待

氏原英明

2020.06.25

源田(左)と外崎(右)の2・3番コンビは同い年。西武伝統の同世代が切磋琢磨する空気を象徴する存在だ。写真:徳原隆元

源田(左)と外崎(右)の2・3番コンビは同い年。西武伝統の同世代が切磋琢磨する空気を象徴する存在だ。写真:徳原隆元

 チーム作りの基本は競争だ。選手間の競争意識を煽る要素の一つに“年齢”がある。あえて同年齢の選手を揃えて切磋琢磨させることが、チーム強化につながるのだ。

 同世代を集めたチーム編成で成功している球団の代表格が西武だろう。2008年に日本一を成し遂げた際には、1982年生まれの中島裕之と片岡治大、そして83年生まれの栗山巧と中村剛也がチームの骨格を成していた。年が近い4人が競い合うことによって醸成された空気が、チーム全体のレベルを1段階も2段階も上げたのだ。

 かつて栗山はこんな話をしていた。「年齢が近い者同士がチームにいると、刺激にもなるし、負けてられへんし、遅れは取れないなという気持ちに自然となるんですよね。俺も、俺もってみんな積極的に前へ出るようになる」。

 一昨年、昨年とリーグ連覇を果たしたチームにも同じことが言える。二遊間コンビを組む源田壮亮と外崎修汰は92年度生まれの同学年。中継ぎの佐野泰雄、森脇亮介らも同い年で、たびたび同級生会を開催するなど結束も固い。現在の西武においては“最大勢力”といってもいい。
 
 一方、投手陣の主力には、野手陣ほど核と呼べる構成はできあがっていない。ただ、高橋光成に代表される96年世代は、今後のキーになってくるだろう。

 18年のドラフト1位で、同い年の松本航が入団してきたことで、高橋は大いに刺激を受けたらしい。昨年は初の2ケタ勝利を挙げ、キャリアハイの成績を叩き出した。これは金子侑司が入団してきた13年に、同じ学年の浅村栄斗(現楽天)が初の打点王を獲得したのとよく似ている。

 高橋と松本が相乗効果でチームの中心となり、そこに2学年下の今井達也、3学年下の平良海馬が絡んでいくことができれば、楽しみな投手陣になっていくはずだ。現在のチームの課題が投手力にあることは明白。西武の伝統である同世代の競い合いによってこれを克服できれば、3連覇も夢ではないだろう。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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