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MLB

【担当記者が見た大谷翔平】「手術明け」と「無観客での登板」――久々のマウンドで大谷はどんなメンタルで投げていくのか

斎藤庸裕

2020.05.11

観客がいるとアドレナリンが増すタイプの大谷。無観客での試合でどんな投球を見せるだろうか。(C)Getty Images

観客がいるとアドレナリンが増すタイプの大谷。無観客での試合でどんな投球を見せるだろうか。(C)Getty Images

 開幕が大幅に遅れ、シーズン短縮となる可能性が高い2020年のメジャーリーグ。二刀流復活を期待されている大谷翔平(エンジェルス)は、気持ちをどのようにコントロールしていくのか。キャンプ初日の2月12日、投手復帰へ向けての心境について、大谷はこう話していた。

「まだまだリハビリという気持ちと、その中でも試合なので100%でしっかり抑えにいくんだという気持ちのバランスが、大事かなと思います」

 メジャー1年目の18年10月にトミー・ジョン手術を受け、昨年は打者で出場しながらリハビリに専念。今年はキャンプから投打で順調に調整し、術後19ヵ月となる5月中旬に復帰登板が見込まれていた。

 通常、トミー・ジョン手術からの復帰に12~18ヵ月を要することを考えれば、十分なリハビリ期間。万全の状態で、周囲は100マイル超の速球が再び見られるのではと期待する。だが大谷は「復帰1年目からそんなになることはないかなと。まだまだリハビリじゃないかなと思っていますし、そういう心持ちでもいい」と冷静だった。怪我再発となっては水の泡。年間を通してチームに貢献するために、慎重な姿勢を見せていた。
 
 一方で、投手・大谷へのチームの期待は高まっている。ジョー・マッドン監督からは「登板できる試合は多くなると思う。彼は、我々の求めることを理解して準備してくれる」と信頼を寄せられている。球団によれば、大谷はリハビリを続けているエンジェル・スタジアムで4月中旬からブルペン投球を再開。実戦を想定した投球練習へ向けての準備も進めている。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、チーム全体の練習ができない状態だが、順調に体を仕上げているようだ。

 米メディアの報道によると、MLBが目指す開幕時期は7月初旬。ただ、開幕となっても当面は無観客で行われることになるだろう。以前、「メジャーリーグの雰囲気と、何もない状態で投げるのとでは(腕にかかる)強度は違う」と話していたように、大谷は観客のいる試合でアドレナリンが出るタイプでもある。手術明け、チームからの期待、無観客での登板。さまざまな要素が重なる中で、どういうメンタルで投げていくのか。復活への一つのカギとなりそうだ。

文●斎藤庸裕

【著者プロフィール】
さいとう・のぶひろ。1983年、埼玉県生まれ。日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を務めた後サンディエゴ州立大学でスポーツビジネスを学ぶ。2018年から大谷翔平の担当記者を務める。日刊スポーツでコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」を配信中。

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