プロ野球

【ヤクルトの2020年を左右する3つのポイント】村上が挑む2年目のジンクス。新外国人エスコバーは、守備でケミストリーをもたらせるか

SLUGGER編集部

2020.06.16

昨季19歳にして36本塁打を放ち、新人王に輝いた村上にとって、今季は真価を問われる1年になる。写真:金子拓弥(THE DIGEST編集部)

 どんなチームも未知数の要素を抱えてシーズンを迎えるもの。2020年のヤクルトの浮沈を左右するであろう3つの要素を分析してみよう。

●1 エスコバー加入でチームはどう変わる?
 山田哲人とともに長年打線をけん引し、昨季も33本塁打を放った大砲バレンティンが退団。代わりに獲得したエスコバーが、まるで対照的な選手である点は非常に興味深い。メジャーでゴールドグラブ受賞歴を持つエスコバーだが、打撃に関しては良くても打率3割、15本塁打程度と思われる。球団もそのあたりは承知のはずで、やはり注目は守備での貢献だ。西武における源田壮亮のような存在になってくれれば、投手陣へ与える好影響は計り知れない。反面、攻守ともいまひとつということになれば、バレンティンの不在ばかりが目立つ結果になりかねない。今シーズンのチーム最大のキーマンと言ってもいいだろう。
 
●2 村上は"2年目のジンクス"を跳ね返せるか?
 昨年、10代の選手としては歴代最多の36本塁打&96打点を記録して新人王に輝いた村上宗隆が2年目のジンクスに挑む。しかも、バレンティンが抜けたことで、打線における役割はさらに大きくなった。昨年は本塁打こそ量産したものの、打率は.232と低迷。4番を任される今季は確実性も向上させたいところだが、相手のマークもきつくなるはず。過去の新人王獲得者の多く苦しんだジンクスに同じようにはまってしまうのか、それとも昨年以上の好成績を残して球界を代表するスラッガーとなるか。一体どちらに転ぶだろうか。

●3 質・量とも不足の投手陣をどう底上げするか
 昨季は先発防御率(5.05)、救援防御率(4.42)ともリーグワースト。怪我人続出も痛かったが、そもそも投手陣全体の層が薄い。迎える今季も小川泰弘、原樹理、石山泰稚の復活はもちろん、新戦力の台頭がないと底上げは望めない。ドラフト1位ルーキーの奥川恭伸は高卒1年目だけに過度な期待は禁物。むしろ2位の吉田大喜、ソフトバンクから加入した長谷川宙輝の台頭や、本格開花を目指す先発左腕の高橋奎二あたりに期待したい。新助っ人ではイノーアが対外試合で好投を続けている。逆に、彼らが結果を残せなければ、昨季に続いて総崩れ状態になってしまう恐れもある。

構成●SLUGGER編集部

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