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MLB

DV事件を機に転落した元カブスの若手スター遊撃手は韓国球界で再起できるか

SLUGGER編集部

2020.06.21

次代のスーパースター候補と期待されていたラッセル。KBOで再起できるか注目だ。(C)Getty Images

次代のスーパースター候補と期待されていたラッセル。KBOで再起できるか注目だ。(C)Getty Images

 現地6月20日、元シカゴ・カブスのオールスター遊撃手アディソン・ラッセルがKBOのキウム・ヒーローズに入団することが決まった。1年契約で年俸は53万ドル(約5700万円)だという。

 つい数年前まで、ラッセルはシカゴ・カブスの、いやMLBの次代を担うスーパースター候補と目されていた。2012年ドラフト全体11位でオークランド・アスレティックスに指名され、14年7月にカブスに移籍。15年に21歳でメジャーデビューを果たすと、翌年は21本塁打、95打点の活躍でオールスターにも選出。この年のポストシーズンでは、ワールドシリーズでの満塁弾も含め3本のホームランを放ってチーム108年ぶりのワールドチャンピオン獲得に大きく貢献した。

 しかし、前年のポストシーズンの活躍を受けて多くの媒体がブレイク候補に挙げるなど、さらなる飛躍が期待された17年、自らの愚行によりラッセルのキャリアは暗転してしまった。破局したばかりの妻からSNS上で数々の家庭内暴力行為を告発されたのだ。
 
 交際当初から浮気を繰り返していたこと、子供が生まれてからは毎日のように言葉による暴力を浴びせていたこと、ラッセルのDVが理由でうつ病にかかってしまったことなど、その内容があまりにも赤裸々だったこともあり、たちまち大問題に発展した。

 当初、元妻が調査への協力を拒否していたため時間がかかったが、MLB機構は18年10月になってラッセルに40試合の出場停止処分を下した。ラッセルが昨年5月に処分を終えてチームに合流した時、そこにはもうかつてのスター候補の姿はなかった。目立った成績を残せぬまま7月にはマイナー落ちも経験。遠征先ではブーイングを受け、地元ファンからも見放され、チームに居場所がなくなったことは他の誰よりも本人が痛感していたはずだ。

 シーズン終了後に事実上の戦力外となったが、DVの前歴がある選手を雇うことは球団のイメージダウンにもつながるとあって、ラッセルを獲得しようとするチームは現れなかった。
 

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