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【MLB今日は何の日】バムガーナー&ポージーの名バッテリーが揃って満塁ホームランの離れ業

出野哲也

2020.07.13

以前から打撃には定評があったバムガーナー。この年は4本塁打を放ってシルバースラッガー賞を受賞した。(C)Getty Images

 日本には最優秀バッテリー賞という賞があるが、2014年7月13日のマディソン・バムガーナーとバスター・ポージー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)は、さしずめ"1日最優秀バッテリー賞"といったところだろう。この日、彼らはメジャーリーグ史上初めてとなる「同じ試合でバッテリーが満塁ホームランを打つ」という快挙をやってのけた。

 本拠地AT&Tパーク(現オラクル・パーク)でのアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦、0対1で迎えた5回裏にジャイアンツは1アウトからバムガーナーの二塁打をきっかけに二死満塁のチャンスを作る。ここで4番のポージーがレフトスタンド中段へ10号逆転ホームランを放り込んだ。「何とか1点でも取れればと思っていたので、4点も取れたのは素晴らしい」。
 
 さらに続く6回裏、今度は無死満塁で打席に立ったバムガーナーが強烈なライナーで左翼席へ突き刺した。バムガーナーにとっては4月11日以来、この年2本目のグランドスラムであり、年間2本の満塁アーチを打った史上2人目の投手となった。「ホームラン競争をしたら、僕は彼に勝てない。それくらい彼はいい打者だよ」とポージーはバッテリーメイトのバッティングを称えた。

 この年のMLBの最後の試合、すなわちワールドシリーズ第7戦で、最後のアウトを取ったバッテリーもバムガーナーとポージー。となれば年間の"最優秀バッテリー賞"も、やはりこの2人だったと言っていいかもしれない。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――"裏歴史の主人公たち"」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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