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大谷翔平、15試合ぶりの一発! 完全復調を予感させる2つのデータとは?【大谷ウィークリー・レポート】

スラッガー編集部

2019.09.10

久しぶりのホームランを放ち、スランプを脱した大谷。今後の浮上も期待できそうだ。(C)Getty Images

久しぶりのホームランを放ち、スランプを脱した大谷。今後の浮上も期待できそうだ。(C)Getty Images

 大谷翔平の1週間(現地時間の日曜~土曜)を振り返る連載企画。今回は、9月1日のレッドソックス戦から7日のホワイトソックス戦までの6試合が対象になる。まずは、この1週間の成績とシーズン成績を見てみよう。

    今週  シーズン
試合
     5           102
打数  16       369
安打        108
本塁打          17
打点         60
打率  .375    .293
出塁率 .412    .349
長打率 .875    .512
OPS 
   1.287   .861
BB% 
  5.6%    7.8%
K%
       44.4    25.2%


 長い、長いトンネルを抜けた。9月7日の敵地ホワイトソックス戦の3回、8月18日以来、15試合・58打席ぶりのホームランを放った。外角高めのボール球、96マイルの速球を得意の逆方向に“引っ張た”打球は飛距離403フィート(約123m)に達し、某TV番組で解説していた野村克也氏も笑うしかない、脱帽の一発だった。

 試合後、大谷は「もどかしさがあった。なぜ本塁打が打てないのかと」と振り返りながら、スランプを脱する一打に安堵の表情を浮かべた。さらにこの試合では、初回の二塁打、3回の3ラン、4回にもヒットと、6月13日のレイズ戦に続くサイクル安打まであと三塁打1本に迫り、1試合5打点のメジャー自己新も更新した。
 予兆がなかったわけではない。前日の試合では12試合ぶりのマルチ安打を記録。「徐々に、徐々に良くなっている」と思うと語った中での大爆発。先週のレポートで触れたが、不振の要因はボールの見極めに苦戦していたからだった。結果的に、この週もボール球スウィング率は41.5%とかなり高かった。とはいえ、安打6本の中身を見ていくと、大谷の打席での新たな取り組み方がうかがえてくる。

 追い込まれた打席でヒットを打ったのは1本なのに対し、初球からの2本を含めて他の5安打は4球目以内の打者有利カウントからのものだった。年間を通じて初球ストライクをスウィングする割合は50%台後半で、メジャー平均(61%前後)を下回っている。しかし、この週は66.7%と、かなり積極的に攻撃を仕掛けていた。

 また、大谷はメジャー屈指の打球速度(全体6位・92.7マイル)を誇る一方で、打球角度(6.1°)が低いという、ある種の“ねじれ”現象が特徴でもある。しかし、この週は平均打球角度13.3°と、理想的と言われる15~20°ラインに近づくことができていた。事実、大谷も「アウトの内容もまずまずいいんじゃないか」と口にするなど、手応えも感じている様子。自身の持ち味を生かしながら、しっかりと角度を付けた打球を飛ばすことを継続できれば、今後はホームラン量産も期待できそうだ。

構成●スラッガー編集部
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