共同作業でピッチングを作り上げる“相棒”のコメントが、その投球がどれだけ素晴らしいものだったのかを如実に表していた。
現地時間12日、ミネソタ・ツインズの前田健太は敵地ミルウォーキー・ブルワーズ戦に先発すると、4回途中までパーフェクトピッチングに抑えるなど、6.2回を投げて2失点5奪三振の好投で無傷の3勝目を上げた。8月1日のクリーブランド・インディアンス戦でチーム初のQS(6イニング以上を投げて自責点3以下)を達成してから、3戦連続でのQSと安定した投球を継続しており、12勝7敗でア・リーグ中地区首位を走るチームの稼ぎ頭として、新天地で躍動している。
今季の前田は4シームの投球割合を減らし、スライダーとチェンジアップ主体のピッチングに変更。前回登板までは投球の38.5%がスライダー、30.8%がチェンジアップで、この日もそれぞれ38.8%(33/85球)、34.1%(29/85球)、4シームは15.3%(13/85球)にすぎず、広島時代に見せた本格派とはまた異なる新境地に達しているようだ。
“新・前田”として活躍する右腕の投球を大絶賛しているのが、昨季わずか93試合で31本塁打を放った正捕手のミッチ・ガーバーだ。この日、前田の好投を引き出した女房役は試合後、右腕の出来について訊かれると、こうコメントを残した。
「マエダのスライダーは今夜も素晴らしかったが、スプリットチェンジ(チェンジアップ)は驚異的と呼ぶほかなかった。ともにコマンド(狙った場所に投げる能力)も良かった」と、前田の二大武器をまずは絶賛。そして、この2つがどれだけ凄かったのかについて、投手コーチの談話も紹介した。
「何イニングかした後にダグアウトに戻ると、投手コーチのウェス・ジョンソンが『何を投げているのか分からなかった。横からはまったく同じ球種に見えるんだよ』」と言ってきたという。スライダーもチェンジアップも今季ここまで被打率1割台前半と抜群の威力を発揮しているが、その凄さの源泉は同じような軌道で“偽装”できていることが、投手コーチのコメントからうかがい知れる。
そしてガーバーは、最後に前田の今日の出来をこう総括した。「スライダーはよく沈み、スプリットもガクッと落下していた。マエダはどんなカウントでもそれらを投げ込むことができる。速球で攻める必要があった時も、完璧に投げ込めた。マジで、本当に印象的な登板だった。僕が見てきた中で最もキレまくっていた登板だったよ」
今季4登板を終えて3勝0敗、防御率2.66と好投を続ける前田は、新天地で早くもエース格として奮闘している。ガーバーが驚愕した今日のようなピッチングを続けることができれば、好調ツインズ打線も後押しして、日本人メジャーリーガー初の最多勝は十分射程圏と言えるだろう。
構成●SLUGGER編集部
現地時間12日、ミネソタ・ツインズの前田健太は敵地ミルウォーキー・ブルワーズ戦に先発すると、4回途中までパーフェクトピッチングに抑えるなど、6.2回を投げて2失点5奪三振の好投で無傷の3勝目を上げた。8月1日のクリーブランド・インディアンス戦でチーム初のQS(6イニング以上を投げて自責点3以下)を達成してから、3戦連続でのQSと安定した投球を継続しており、12勝7敗でア・リーグ中地区首位を走るチームの稼ぎ頭として、新天地で躍動している。
今季の前田は4シームの投球割合を減らし、スライダーとチェンジアップ主体のピッチングに変更。前回登板までは投球の38.5%がスライダー、30.8%がチェンジアップで、この日もそれぞれ38.8%(33/85球)、34.1%(29/85球)、4シームは15.3%(13/85球)にすぎず、広島時代に見せた本格派とはまた異なる新境地に達しているようだ。
“新・前田”として活躍する右腕の投球を大絶賛しているのが、昨季わずか93試合で31本塁打を放った正捕手のミッチ・ガーバーだ。この日、前田の好投を引き出した女房役は試合後、右腕の出来について訊かれると、こうコメントを残した。
「マエダのスライダーは今夜も素晴らしかったが、スプリットチェンジ(チェンジアップ)は驚異的と呼ぶほかなかった。ともにコマンド(狙った場所に投げる能力)も良かった」と、前田の二大武器をまずは絶賛。そして、この2つがどれだけ凄かったのかについて、投手コーチの談話も紹介した。
「何イニングかした後にダグアウトに戻ると、投手コーチのウェス・ジョンソンが『何を投げているのか分からなかった。横からはまったく同じ球種に見えるんだよ』」と言ってきたという。スライダーもチェンジアップも今季ここまで被打率1割台前半と抜群の威力を発揮しているが、その凄さの源泉は同じような軌道で“偽装”できていることが、投手コーチのコメントからうかがい知れる。
そしてガーバーは、最後に前田の今日の出来をこう総括した。「スライダーはよく沈み、スプリットもガクッと落下していた。マエダはどんなカウントでもそれらを投げ込むことができる。速球で攻める必要があった時も、完璧に投げ込めた。マジで、本当に印象的な登板だった。僕が見てきた中で最もキレまくっていた登板だったよ」
今季4登板を終えて3勝0敗、防御率2.66と好投を続ける前田は、新天地で早くもエース格として奮闘している。ガーバーが驚愕した今日のようなピッチングを続けることができれば、好調ツインズ打線も後押しして、日本人メジャーリーガー初の最多勝は十分射程圏と言えるだろう。
構成●SLUGGER編集部