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MLB

「胸が張り裂けそうな瞬間だった」前田健太の“ノーヒッター未遂”を支えた女房役が、圧巻の投球劇を回顧

SLUGGER編集部

2020.08.19

ノーヒッターまであと3死に迫った前田。その投球を女房役が振り返る。(C)Getty Images

ノーヒッターまであと3死に迫った前田。その投球を女房役が振り返る。(C)Getty Images

 手を取り合いながら金字塔を目指した者のコメントには、その無念な想いがたくさん詰まっていた。

 現地時間18日、ミネソタ・ツインズの前田健太は本拠地で行われたミルウォーキー・ブルワーズ戦に先発すると、8回を終えてノーヒットノーランを継続。3回1死から球団新記録となる8者連続奪三振も達成した。球団では2011年のフランシスコ・リリアーノ以来、史上8度目の快挙まであと3アウトに迫った9回、しかし先頭のエリック・ソガードにセンター前ヒットを打たれ、大記録は幻に終わってしまった。

 115球を投げた前田はこれで降板。抑えにマウンドを託したものの、まさかのセーブ失敗で失点がついただけでなく、4勝目の権利も失ってしまう。延長12回にチームは劇的な勝利を収めたとはいえ、やはりこの日の主役は前田だろう。“主演男優賞”に絶賛の声を送ったのは、ともにノーヒッターを目指してきた女房役のアレックス・アビーラだ。

「本当にインクレディブルだった」とはアビーラの弁。試合後の会見に応じた捕手はこの日の前田についての質問を受けると、冷静ながらも悔しそうな表情を浮かべながら語り始めた。
 
 1安打を打たれただけで前田を降板させたことについて、ロッコ・バルデリ監督に批判の声もあったが、これまで80~85球までしか投げていなかったこと、アビーラは「難しいシチュエーションだった」と指揮官に同情。また8回1死、オマー・ナルバエズの打席がターニングポイントだったとも振り返っている。「球数が嵩んでいたから、ストライクを積極的に投げて対戦打者を減らしたかった。そうすれば、完遂できると思ったのだが……」と語り、10球を粘られた末に四球を与えたことが、後の“悲劇”につながったと反省した。

 最後に、「僕はありがたいことに、これまで何度も8回、9回までノーヒッターを継続できる機会があった。そして何度か、バットを折られながらだったり、それに近い形で終わるのを見てきた。そして今夜も、本当に胸が張り裂けそうな瞬間だったよ」と悔しさを吐露。そして、「本当に今日の前田はインクレディブルだった」として会見を終えた。

 ちなみに、アビーラはデトロイト・タイガース時代の2011年5月7日、ジャスティン・バーランダーの2回目のノーヒッターに捕手として立ち会っている。また記録上は完封だが、2010年のアーマンド・ガララーガの“幻の完全試合”(一塁審判が27個目のアウトを誤審)でもマスクをかぶっていた。

構成●SLUGGER編集部

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