これは“呪い”なのか?――29日に行われたツインズ対アストロズのワイルドカード・シリーズ初戦。3回に先制したツインズは、先発・前田健太の5回無失点の粘投もあって、6回終了時点で1対0とリード。いよいよポストシーズン連敗記録に終止符が打たれるかと思われた。
だが、7回に同点に追いつかれてから、雲行きが怪しくなってきくる。そして9回、2死一、二塁の場面。ツインズの5番手セルジオ・ロモは、アストロズの1番ジョージ・スプリンガーを2ストライクに追い込んだ。4球目、スプリンガーが外角のボール球を無理矢理気味に引っ張ると、強めのゴロがショートのホーヘイ・ポランコの真正面へ。ポランコはこれをしっかりキャッチし、二塁に送球してチェンジ……となるはずが、スローイングが雑で二塁手がつかみきれず、二死満塁となってしまう。
このエラーで動揺したか、ロモは続くホゼ・アルトゥーベに四球を与え、押し出しで勝ち越し点を献上。さらに代わったケイレブ・シールバーもマイケル・ブラントリーに2点タイムリーを打たれてダメ押し。結局、ツインズはプレーオフ連敗のメジャーワースト記録を17に更新した。以下の通り、ツインズは2004年の地区シリーズ第1戦を最後に勝利からずっと見放されている。
▼2004年 地区シリーズ
① ツインズ 6-7 ヤンキース
② ツインズ 4-8 ヤンキース
③ ツインズ 5-6 ヤンキース
▼2006年 地区シリーズ
④ ツインズ 2-3 アスレティックス
⑤ ツインズ 2-5 アスレティックス
⑥ ツインズ 3-8 アスレティックス
▼2009年 地区シリーズ
⑦ ツインズ 2-7 ヤンキース
⑧ ツインズ 3-4 ヤンキース
⑨ ツインズ 1-4 ヤンキース
▼2010年 地区シリーズ
⑩ ツインズ 4-6 ヤンキース
⑪ ツインズ 2-5 ヤンキース
⑫ ツインズ 1-6 ヤンキース
▼2017年 ワイルドカード・ゲーム
⑬ ツインズ 4-8 ヤンキース
▼2019年 地区シリーズ
⑭ ツインズ 4-10 ヤンキース
⑮ ツインズ 2-8 ヤンキース
⑯ ツインズ 1-5 ヤンキース
▼2020年 ワイルドカード・シリーズ
⑰ ツインズ 1-4 アストロズ
今日の試合と同じように、先制したのが11試合もありながらひっくり返されるパターンが目立つ。連敗の大半はヤンキース戦で13敗。実は、ツインズをこの出口の見えないトンネルに叩き込んだのがあの松井秀喜であることは意外と知られていない。
04年10月6日に行われた地区シリーズ第2戦。第1戦に勝利していたツインズは3対5で迎えた8回、史上最強クローザーのマリアーノ・リベラから2点をもぎ取って同点に追いつく粘りを見せる。さらに延長12回表にはトリ・ハンターのソロ本塁打で勝ち越した。しかしその裏、守護神のジョー・ネイサンがアレックス・ロドリゲスのタイムリー二塁打を浴びて同点に追いつかれてしまう。
そして、1死二、三塁の場面で打席に立ったのが松井だった。ヤンキース入団後、チームバッティングに徹して大事な場面で得点をもぎ取ってきた男はこの場面で最高の仕事をした。代わったばかりの左腕JC・ロメロの初球をライトへライナーで運んだ。三塁ランナーのデレク・ジーターがホームへ還ってくるには十分な飛距離だった。サヨナラ勝ちの立役者として手荒い祝福を受ける松井を尻目に、淡々とベンチへ戻ったツインズナインは、その後15年以上もプレーオフで勝ち星を挙げられないとは、よもや思わなかったであろう。
17連敗はメジャーリーグだけでなく、NHLのシカゴ・ブラックホークスを抜いて北米4大スポーツのワースト記録だという。明日も敗れれば今年もプレーオフ敗退が決定。ツインズは、レッドソックスの“バンビーノの呪い”や、カブスの“ビリー・ゴートの呪い”と並ぶ“負の伝説”が生まれる瀬戸際に立たされている。
構成●SLUGGER編集部
【PHOTO】今オフにツインズへトレード移籍!メジャーで活躍を続ける”マエケン”の厳選ショット!
だが、7回に同点に追いつかれてから、雲行きが怪しくなってきくる。そして9回、2死一、二塁の場面。ツインズの5番手セルジオ・ロモは、アストロズの1番ジョージ・スプリンガーを2ストライクに追い込んだ。4球目、スプリンガーが外角のボール球を無理矢理気味に引っ張ると、強めのゴロがショートのホーヘイ・ポランコの真正面へ。ポランコはこれをしっかりキャッチし、二塁に送球してチェンジ……となるはずが、スローイングが雑で二塁手がつかみきれず、二死満塁となってしまう。
このエラーで動揺したか、ロモは続くホゼ・アルトゥーベに四球を与え、押し出しで勝ち越し点を献上。さらに代わったケイレブ・シールバーもマイケル・ブラントリーに2点タイムリーを打たれてダメ押し。結局、ツインズはプレーオフ連敗のメジャーワースト記録を17に更新した。以下の通り、ツインズは2004年の地区シリーズ第1戦を最後に勝利からずっと見放されている。
▼2004年 地区シリーズ
① ツインズ 6-7 ヤンキース
② ツインズ 4-8 ヤンキース
③ ツインズ 5-6 ヤンキース
▼2006年 地区シリーズ
④ ツインズ 2-3 アスレティックス
⑤ ツインズ 2-5 アスレティックス
⑥ ツインズ 3-8 アスレティックス
▼2009年 地区シリーズ
⑦ ツインズ 2-7 ヤンキース
⑧ ツインズ 3-4 ヤンキース
⑨ ツインズ 1-4 ヤンキース
▼2010年 地区シリーズ
⑩ ツインズ 4-6 ヤンキース
⑪ ツインズ 2-5 ヤンキース
⑫ ツインズ 1-6 ヤンキース
▼2017年 ワイルドカード・ゲーム
⑬ ツインズ 4-8 ヤンキース
▼2019年 地区シリーズ
⑭ ツインズ 4-10 ヤンキース
⑮ ツインズ 2-8 ヤンキース
⑯ ツインズ 1-5 ヤンキース
▼2020年 ワイルドカード・シリーズ
⑰ ツインズ 1-4 アストロズ
今日の試合と同じように、先制したのが11試合もありながらひっくり返されるパターンが目立つ。連敗の大半はヤンキース戦で13敗。実は、ツインズをこの出口の見えないトンネルに叩き込んだのがあの松井秀喜であることは意外と知られていない。
04年10月6日に行われた地区シリーズ第2戦。第1戦に勝利していたツインズは3対5で迎えた8回、史上最強クローザーのマリアーノ・リベラから2点をもぎ取って同点に追いつく粘りを見せる。さらに延長12回表にはトリ・ハンターのソロ本塁打で勝ち越した。しかしその裏、守護神のジョー・ネイサンがアレックス・ロドリゲスのタイムリー二塁打を浴びて同点に追いつかれてしまう。
そして、1死二、三塁の場面で打席に立ったのが松井だった。ヤンキース入団後、チームバッティングに徹して大事な場面で得点をもぎ取ってきた男はこの場面で最高の仕事をした。代わったばかりの左腕JC・ロメロの初球をライトへライナーで運んだ。三塁ランナーのデレク・ジーターがホームへ還ってくるには十分な飛距離だった。サヨナラ勝ちの立役者として手荒い祝福を受ける松井を尻目に、淡々とベンチへ戻ったツインズナインは、その後15年以上もプレーオフで勝ち星を挙げられないとは、よもや思わなかったであろう。
17連敗はメジャーリーグだけでなく、NHLのシカゴ・ブラックホークスを抜いて北米4大スポーツのワースト記録だという。明日も敗れれば今年もプレーオフ敗退が決定。ツインズは、レッドソックスの“バンビーノの呪い”や、カブスの“ビリー・ゴートの呪い”と並ぶ“負の伝説”が生まれる瀬戸際に立たされている。
構成●SLUGGER編集部
【PHOTO】今オフにツインズへトレード移籍!メジャーで活躍を続ける”マエケン”の厳選ショット!