プロ野球

大学最強打者を外したソフトバンクは5巡目まで高校生を指名。王貞治会長の目に、今年のドラフトはどう映ったか

THE DIGEST編集部

2020.10.26

王会長がドラフトを総括。果たして日本最強打者の目には、未来の卵がどう映っているのだろうか。写真:滝川敏之

 10月26日、プロ野球ドラフト会議が行われ、各地で喜びや落胆の声が上がった。
 
 現在パ・リーグ首位を快走し、M2とリーグ優勝を目前に控えているソフトバンクは1位指名で近畿大のスラッガー佐藤輝明に競合したものの、くじ引きの結果は阪神の前に涙をのむ形となった。

 当たり前だが、1位指名で意中の選手を獲得できなかっただけでもドラフト戦略においては相当にマイナスと言える。しかしそれでも、「いいドラフトになった思う」と振り返ったのは、他でもない王貞治会長だ。
 
 王会長は「クジで外れてしまったのは残念だった」として佐藤の入札失敗を嘆きつつも、代わりに1位指名した花咲徳栄高校のスラッガーについて「1巡目の井上君(朋也)は前々から非常にいい選手だと聞いていた。これからのホークスを支える選手になってくれればと期待している」と笑顔を見せた。

 そして、「他にも、捕手(3位:牧原巧汰)は大事な補強ポイントだと思っていたから、いい選手が取れて良かった。昔ウチにいた田上(秀則)の甥っ子が取れたのも良かったね。プロに入ってからの彼らの成長と活躍が楽しみ」とし、「いいドラフトになったと思うよ」と総括している。

【ソフトバンク2020年ドラフト(支配下)】
1位:×佐藤輝明(近畿大)→井上朋也(内野手/花咲徳栄高)
2位:笹川吉康(外野手/横浜商業高)
3位:牧原巧汰(捕手/日大藤沢高)
4位:川原田純平(内野手/青森山田高)
5位:田上奏大(投手/履正社高)

 本来狙っていた佐藤を取り逃した後は、なんと支配下で指名した5人は全員高校生。一軍の高齢化が深刻化していた中で、将来への舵取りを切った形だ。彼らが数年後に見事成長した時、真の意味で「いいドラフト」と呼べるようになる。

構成●THE DIGEST編集部