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プロ野球

「ダルビッシュ塾」が日米球界を席捲! “塾長”ダル、“塾生”千賀&石川が最多勝を獲得

THE DIGEST編集部

2020.11.10

「ダルビッシュ塾」が最多勝を独占! 日米野球はダルビッシュを中心に回っている? 写真:田口有史(ダルビッシュ)、徳原隆元(千賀)

「ダルビッシュ塾」が最多勝を独占! 日米野球はダルビッシュを中心に回っている? 写真:田口有史(ダルビッシュ)、徳原隆元(千賀)

 パ・リーグは9日、レギュラーシーズンの全日程が終了。各タイトルが確定し、リーグ優勝を果たしたソフトバンクからは柳田悠岐(最多安打)、周東佑京(盗塁王)、千賀滉大(最優秀防御率・最多勝・最多奪三振)、石川柊太(最多勝・最高勝率)の4人が、表彰タイトル12部門の約半数を占める結果になった。

 周東、千賀、石川の3人が育成出身とあって、その点がフォーカスされているものの、投手の2人に関しては、また別の共通点がある。ともに「ダルビッシュ塾」の門下生という点だ。もちろん、ダルビッシュとはシカゴ・カブスに所属する、あのダルビッシュ有である。千賀と石川は昨年12月に大先輩の住むテキサスを訪れ、さまざまなアドバイスをもらっている。その様子はダルビッシュのYouTubeチャンネルにも公開されており、キャッチボールしている動画も必見だ。

 果たして千賀は、この“勉強会”において「勉強にしかならなかった。印象に残る言葉だらけだった」と心酔しきりで、石川も「すごい所で、すごい人と、すごい話と、すごい経験して、すごい人生においてプラスになった、すごい1週間が、すごいスピードで終わってしまった。まだまだだなと心に」という言葉を残している。
 
 そしてシーズンが幕を開け、“塾長”のダルビッシュは日本人メジャーリーガー初となる7戦7勝を記録するなど、同じく日本人初となるメジャー最多勝を獲得。サイ・ヤング賞の有力候補に挙げられるまでの活躍を見せた。一方の“門下生”2人も、前述の通りで千賀はパ・リーグ14年ぶりの投手三冠に輝き、石川はシーズン最終戦の途中から登板して勝利投手となり、すでに確定していた最高勝率に加えて千賀と並ぶ11勝で最多勝の二冠に輝いた。

“塾長”はこの快挙に自身のツイッター(@faridyu)を更新し、「昨オフ、ダルビッシュ、千賀、石川の3人で自主トレしたけど全員最多勝取りました(嬉し泣きの絵文字)」とコメント。野球に対する真摯な姿勢が今回の快挙を呼び入れたと言え、まさにニンマリといったところだろうか。

 そして1人忘れてはならないのが、千賀&石川とともに最多勝を分け合った涌井秀章(楽天)だ。涌井自身は完全なる“門下生”とは言えないものの、ご存じの通り同い年のダルビッシュとは高校時代からしのぎを削ってきた仲。そしてセ・リーグですでに最多勝が確定している菅野智之(巨人)もダルビッシュを尊敬して普段から連絡を取り合う関係で、涌井と連勝街道を走っていた時期には当人から冗談交じりにと「2人は俺が育てたって言っても過言ではある」という投稿も記憶に新しい。

 結果的には、わざわざアメリカの地まで弟子入りしてきた千賀と石川、旧知の涌井、リスペクトされている菅野、そして自分自身。今年の日米球界の最多勝レースの中心にいたのがダルビッシュだったというのは、巡り合わせか実力か。非常に興味深いものである。

構成●THE DIGEST編集部

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