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プロ野球

【2020総括|広島】ジョンソン、大瀬良のダブルエースが絶不調で5位に終わるも、森下ら若い力が台頭

yuma

2020.12.05

新人の森下がエース級の活躍を見せたが、16年の沢村賞投手K・ジョンソン(写真)が0勝7敗、防御率6.10では……。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

新人の森下がエース級の活躍を見せたが、16年の沢村賞投手K・ジョンソン(写真)が0勝7敗、防御率6.10では……。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

▶今季の総括             
 佐々岡真司新監督船出のシーズンは、5位と厳しい結果になってしまった。何より誤算だったのが、昨年はリーグ2位の防御率3.68を記録した投手陣が、5位の防御率4.06まで大幅に後退してしまったことだろう。    
                    
 特に、開幕前から懸念されていたリリーフ不足は不安が的中する形となった。開幕から1ヵ月以上も勝ちパターンが定まらず、頭を悩ませる日々が続いた。3連覇を支えた中崎翔太や今村猛は、昨年に輪をかけて不調に終わり、新加入のDJ・ジョンソン(9月にトレードで楽天へ放出)やスコットも期待外れでは、立て直しが容易に進まなかったのも当然だろう。先発でもダブルエースと目された大瀬良大地とクリス・ジョンソンが合わせて5勝11敗と大きく期待を裏切った。

 野手陣もリーグ2位の523得点を積み重ねたが、シーズン序盤は犠打を多用する采配が目立ち、広島らしい高い打撃力と機動力を連動させた攻撃が少なくなっていた。また、菊池涼介以外の内野陣は守備が不安定で、これも失点増加の一因となった。3連覇のベースとなった機動力と堅い守備力が失われつつあるのは今後へ向けても大きな懸念材料だ。
 
 もちろん、明るい材料がなかったわけではない。ドラフト1位ルーキーの森下暢仁は10勝、防御率1.91(リーグ2位)とエース級の成績を残し、7年目の九里亜蓮も初の規定投球回に到達。リリーフでは塹江敦哉、ケムナ誠と力で押せる投手が台頭してきた。加えて坂倉将吾、大盛穂ら多くの若手野手が台頭し、10月以降の勝率.633はリーグ1位と確実に光は見えてきている。主砲・鈴木誠也の日本ラストシーズンとなる可能性もある来季は、若手と主力の力を融合させて3年ぶりのリーグ制覇を目指したい。                        
                        
▶2021年のキーマン
ケビン・クロン    

 来季のキーマンには、新助っ人野手のケビン・クロンを挙げたい。というのも、今季はドーピング違反で開幕前に契約解除となったバティスタ不在の影響を攻守にわたって感じるシーンが目立ったからだ。正一塁手を務めた松山竜平は、リーグワーストの9失策と拙守で投手陣の足を引っ張り、他の内野手のスローイングにも悪影響を及ぼしていた。また、メヒアやピレラら外国人打者が不調に終わったことで、主砲の鈴木にマークが集中。本来の力を発揮できなかったことも課題となった。

 昨季3Aで38本塁打を放ち、守備も悪いデータのないクロンは、この2つの課題を一挙に解決し得るかだ。彼がどれだけ機能するかがチーム浮上のカギを握るだろう。

文●yuma

【著者プロフィール】
1994年生まれ。シーツ・ラロッカの外国人二遊間に魅せられて以降、15年来の広島ファン。Twitterやnoteにて、主に広島の各選手や戦力についての分析を行っている。好きな選手は同い年の鈴木誠也。Twitter IDは@yumambcp。
 

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