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MLB

ポスティング申請の西川遥輝は「4番手として最適」と米メディア。日本人野手に吹く「逆風」をはね返せるか

THE DIGEST編集部

2020.12.08

俊足好打の西川を獲得する球団は現われるか。写真:滝川敏之

俊足好打の西川を獲得する球団は現われるか。写真:滝川敏之

 北海道日本ハムに所属する西川遥輝外野手は、12月3日に米メジャーリーグへの移籍を目指すポスティング申請手続きを終えたことを発表した。

 日本プロ野球でこれまでに3度の盗塁王に輝いた韋駄天は、かねてからメジャーリーグ志向を表明しており、その意思がが強かったことも、日本ハムがポスティング申請を了承した理由の一つと言われている。

 外野手が手薄な球団が名乗りをあげる、と予想する声もあるが、今オフは明らかな厳冬だ。昨季のメジャーリーグは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、大幅に日程を縮小し大半を無観客試合で行なった状況だけに、動向は不透明な部分もある。

 そのような状況のなか、現地メディアの『MLB TRADE RUMORS』は、西川の評価に言及した。

「日本での過去4シーズンでは、毎年0.378以上の出塁率を記録した。しかし、14.3%の四球率に対し、三振が全打席の16.5%と目立っている。そして今シーズンの西川は、42回の盗塁を試み、37回成功させたが、本塁打はわずか5本しか打っていない。選手層の厚いチームでは、西川を獲得する可能性は少ないと思われるが、彼の持ち味でもあるスピードや、巧みな打撃技術を生かした粘り強いバッティング、そして複数の外野のポジションを守れる点は魅力だろう」
 
 昨シーズンは、ポスティング制度を利用して、秋山翔吾と筒香嘉智の日本人野手2名が海を渡った。

 だが、3年総額23億円でシンシナティ・レッズと契約した秋山は、打率.245。シーズン終盤には復調の兆しを見せ、チームのプレーオフ進出に貢献したものの、期待されたほどの数字は残せなかった。また、2年契約総額13億円でタンパベイ・レイズに移籍した筒香も不振に苦しんだ。リーグ最高勝率を引っ提げ、ワールドシリーズに出場したチームのなかで、打率.197、8本塁打と低迷。終盤はベンチを温める日々が続いた。

 このような日本人野手にとって「逆風」ともいえる状況のなか、ポスティング移籍を目指す西川。『MLB TRADE RUMORS』は、交渉の長期化を指摘する一方で、「中級レベルの選手にとって今年のオフのFA戦線の状況は厳しい。だが選手の動きが少ないこの時期は、西川にとってタイミングが良い可能性もある」と言及し、「左打ちの4番手外野手を探しているチームには、良い選択肢。年俸総額が低いチームは、西川にレギュラーポジションを与える可能性もあるが、メジャーリーグの投手の持つパワーに圧倒される状況になった場合は、別の選択肢を考えることになるだろう」と、西川の現状評価を分析する。

 ポスティングの交渉期間は、日本時間1月3日の午前7時(アメリカ時間1月2日17時)までで、獲得を希望するメジャー球団は、日本ハムに移籍金を支払った後に西川と交渉が可能となる。来シーズンはどのユニフォームに袖を通すことになるのか。その行方に注目したい。

文●白鳥純一(フリーライター)

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