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年の瀬に日米衝撃! ダルビッシュがパドレスへ2対5の電撃トレード。“専属捕手”も一緒に

SLUGGER編集部

2020.12.29

ダルビッシュの移籍が急転直下、決定! 新天地でも躍動できるか!(C)Getty Images

 日本に、アメリカに大きな衝撃が走った。今年日本人初の最多勝を獲得してサイ・ヤング賞投票2位に入ったシカゴ・カブスのダルビッシュ有が現地時間28日、サンディエゴ・パドレスへのトレードされたことを現地メディアが一斉に報じている。

 今回のトレードは現時点以下の人員が動くと言われている。
【パドレス獲得】
●ダルビッシュ有:先発投手→11種類の球種を操る本格派の変化球投手。34歳にして全盛期を迎えつつあり、今季はサイ・ヤング賞投票2位

●ビクター・カラティニ:捕手→ダルビッシュの"専属捕手"としてメジャーに定着。通算31試合でマスクをかぶり、防御率2.80、K/BB8.20と相性抜群

【カブス獲得】
●ザック・デビース:先発投手→チェンジアップ主体の技巧派。平凡すぎる体型もあって、あだ名は"バットボーイ"でも勝利数で過去2回リーグ2位

●レジナルド・プレシナード:遊撃手→17歳のパナマ出身ショート。契約金130万ドルはパナマのアマチュアFA選手では最高額

●オーウェン・ケイシー:外野手→今年のドラフト2巡目(全体45位)の右のスラッガー候補。パドレスはドラフト2、3巡目の選手を早くも放出

●イスマエル・メナ:外野手→潜在能力抜群のアスリート型外野手。将来は20本塁打&20盗塁が可能とも言われている

●イェイソン・サンタナ:遊撃手→パドレスの中おいでも運動能力はメナと争うと言われ、強肩を生かしたショート守備も魅力

 
 このトレードは両者の思惑が合致した形だ。2016年に悲願の世界一を果たしたカブスだが、強くなる過程で屈強なファーム組織が一気に弱体化。王朝を築いたメンバー(クリス・ブライアントやハビア・バイエズなど)も20代後半を迎えてFAが近くなる中、戦力を維持するのが難しくなってきた。そこで、チームで最もトレードバリューのあるダルビッシュを放出することで、複数の若手選手を補充する決断を下した。

 もっとも、ダルビッシュは残り3年6200万ドル(約64億円)と金銭面の負担は少なくなかった。さらに12球団へのトレード拒否条項も持っていたのだが、パドレスはそれに該当せず、資金面でも余裕があった。そして何より、メジャー屈指のファーム組織を誇り、カブスが欲しい若手を"駒"にする余裕も西海岸の躍進チームにはあったというわけである。

 ダルビッシュ目線から言えば、新たな本拠地のペトコパークは投手有利球場であり、西海岸の温暖な環境面もプラスに働くかもしれない。一つマイナス要素を挙げれば、メジャー屈指の"投手泣かせ球場"であるクアーズ・フィールドの登板が増えることだろうか。それでも、今回のトレードで信頼している捕手のビクター・カラティニがともに移籍したことで、ピッチングの質が担保される可能性がある。

 パドレスは過去数年間の再建期に多くの若手を補充。そして今季は、大型遊撃手のフェルナンド・タティースJr.をはじめヤングスターが開花し、ポストシーズンの舞台に進出している。ダルビッシュの新天地で輝く若手選手たちもぜひ見てほしい!

構成●SLUGGER編集部
 
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