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勝負のメジャー4年目を迎える大谷翔平。周囲に渦巻く「二刀流限界論」を払拭できるか

斎藤庸裕

2021.01.03

18年9月のトミー・ジョン手術から早くも2年以上が経過。今季は何としてもマウンドで結果を出さなければならない。(C)Getty Images

 大谷翔平のメジャー4年目は、投打の二刀流継続へ勝負の年となりそうだ。2020年シーズンはわずか2試合の登板で右腕の屈筋回内筋群を損傷し、8月上旬から打者専念となった。米メディアから「投手はできるのか、やりたいのか」といった質問が何度も飛び、メジャー1年目のシーズン前のように二刀流への懐疑的な目が再び向けられ始めた。

 大谷は現在、投打での再復帰に向けて、日本でトレーニングを続けている。「使われた時にしっかり結果を出せるようにキャンプからやりたい」。首脳陣の起用法に従い、期待に応えるために準備を進める。「できることをしっかりやりたい」という姿勢が、一貫したスタンスだ。

 怪我の再発や今後の結果次第では、チーム方針が変わる可能性もある。ビリー・エプラー前GMは大谷の二刀流起用を全面的にサポートしていた。新任のペリー・ミナシアンGMも「彼は(投手と野手)両方でプレーできる。体の状態という点でしっかりしたプログラムを組めば、(二刀流で)準備できると思っている」と期待を寄せるが、まずはコンディションの安定が第一条件となるだろう。
 
 プレッシャーとの戦いにもなる。1年目のシーズン後、野球をやっている姿が仕事のように感じないとの問いに「失礼ですね」と笑いながらも「いや本当に、小っちゃい頃から始めてきて、そのままここまで来たという感じ」とうれしそうに話した。だが、3年目のシーズン中、「野球を始めた時に比べたら、かかるプレッシャーも大きいし、責任も大きいし、純粋に楽しんでいるだけではいられないかなとは思ってます」と心境の変化を明かした。

 メジャー経験で得られる年俸調停権利を取得し、昨季の年俸70万ドル(約7200万円)から数億円アップの大幅増が見込まれている。これまでとは違い、金額に見合った活躍を周囲は当然のように期待する。周囲を取り巻く状況も年々、変化している。