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菅野智之がポスティング不成立で巨人残留へ。「プロ野球歴代最高年俸+契約破棄」が後押しに?

THE DIGEST編集部

2021.01.08

菅野が"まさか"の巨人残留へ。その背景とはいったい? 写真:田口有史

 日米野球界に大きな衝撃が走った。

 ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指していた菅野智之は、交渉期限(東部時間7日午後5時/日本時間8日午前7時)になってもメジャー球団との合意に至らず、2021シーズンも巨人に残留することとなった。

 オファーがなかったわけではない。昨年12月8日にポスティング申請を行った菅野を巡っては、ニューヨーク・メッツやトロント・ブルージェイズ、ボストン・レッドソックスなど少なくとも6球団以上が獲得を望んでいた。しかし、コロナ禍とあってオフのストーブリーグは例年以上に厳冬模様で、"通常"であれば菅野が手にしていたであろうオファーがなかったと言われている。

 前日6日には、スポーツメディア『ジ・アスレティック』がこう報じた。「菅野は沢村賞2度の投手にふさわしい金額にこだわっているようだ。菊池雄星は菅野より実績と年齢は下ではあるものの、2019年1月にシアトル・マリナーズと4年総額5600万ドル(約57億7000万円)の契約に合意。菅野サイドは、これ以上とは言わなくとも同程度の金額を望んでいる模様である。一方、複数関係者によると、ブルージェイズが"強力なオファー"を提示したが、菅野の希望額には明らかに届いていなかったとみている」。
 
 状況を考えると、菅野がやや"強気"な姿勢に思われるかもしれないが、その背景には巨人から4年契約+毎オフにオプトアウト(契約破棄条項)できる異例の契約を提示されていたからに他ならない。

 実際、ツイッターフォロワー数111万人以上を誇る人気アナリスト、ケン・ローゼンタール記者は菅野のポスティング不成立を受け、「巨人の契約を手にしたことで、菅野は来オフシーズンもMLBに再挑戦できるようになった。そして、巨人との契約は単年800万ドル(約8億3000万円)にのぼると予想されている」と報じている。この情報が正しければ、菅野の年俸は2003~04年のペタジーニ(7億2000万円)を越えてプロ野球歴代最高年俸を更新することになり、付帯条項も含めてメジャー以上に"魅力"的だったということだろう。

 もっとも、菅野からしてもリスクはある。メジャーの市場評価は「年齢」に非常にシビアで、仮にコロナ禍が来オフに収まっていたとしても、1歳年齢を重ねた32歳の投手への値付けは今オフ以上となる保証はどこにもない。今オフの提示額に近いものを要求するにも、開幕13連勝を達成して最多勝を獲得した2020シーズン並みの実績を残す必要があるだろう。

 菅野はポスティングにあたって「たくさん悩むと思いますけど、後悔のない選択をしたいです」と語っていた。今回のメジャー移籍を断った選択が"後悔のない"ものになるかどうかは、来年、もしくは数年後になって初めて分かることなのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部
 
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