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巨人残留でも菅野智之にメジャーは熱視線。「市場に出る一握りの最高の先発投手」と現地メディアが評する理由とは?

SLUGGER編集部

2021.01.09

菅野のメジャー移籍は破談になったものの、その評価は依然として高いようだ。写真:塚本凛平(THE DIGEST編集部)

 ポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を目指していた菅野智之が、今季も巨人に残留することになった。交渉期限を迎えた8日、ギリギリまでサンディエゴ・パドレスなどと契約内容を詰めていたと報じられていたが、どうやら菅野サイドの要望を満たすものではなかったようである。

 破談に終わった菅野は、「今月1日に渡米してさまざまな方々から話を聞き、新型コロナウイルスの影響が深刻化する中でのMLBの今シーズンの動向を見極めた結果、今季も読売巨人軍でプレーしようという結論に至りました」とコメント。確かにアメリカは世界で最もコロナに苦しんでいる国の一つであり、公式戦開催についてもまだ正式な決定はなされておらず、菅野が危惧していることも十分に理解できるものだ。
 
 そして日本のエースは、巨人と新たに4年4000万ドル(41億円)+毎オフのオプトアプト(契約破棄)の大型契約を結んだ。これにより、菅野は2021年オフにもMLB移籍を目指すことが可能となっている。もっとも、来オフに32歳となる右腕への評価が、仮にコロナ禍が収まったとしても今オフ以上のものになるかは不透明である。メジャーのFA市場は年齢にシビアであり、1つ年を重ねたことで落ち込む可能性は否定できない。

 しかし、現地大手スポーツメディア『CBSスポーツ』は、"2021年オフの菅野"に太鼓判を押している。同サイトは菅野のポスティング不成立を報じた記事でこう述べた。「来オフに彼が移籍を決断すれば、スガノは市場に出る一握りの最高の先発投手の1人として見なされるだろう」。

 先に述べた通り、普通であれば年齢を重ねた選手への評価は下がるはずであるが、菅野に関してはむしろ"高まっている"とも言える発言が飛び出している。一つは、来オフに移籍を目指した場合、ポスティングによる球団への支払いがなくなることが考えられる。そしてもう一つは、来オフのFA先発投手が"不作"だからだ。
 
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来オフFA市場の動向が菅野に追い風?