プロ野球

巨人残留の菅野智之はMLBでも「ランキングの上位に入る」と米メディアが太鼓判。来季の再挑戦にも期待を寄せる

白鳥純一

2021.01.09

今オフの渡米Hならなかったが、現地メディアは菅野の実力を高く評価しているようだ。写真:塚本凛平(THE DIGEST編集部)

 ポスティングによるメジャーリーグ移籍を目指していた菅野智之投手が、来シーズンも巨人でプレーする決断を下したことについて、アメリカの各紙も「日本人投手の菅野智之が読売ジャイアンツへ帰国」(NEWYORK POST)、「日本のエース、菅野智之が帰国。次のオフシーズンにMLBフリーエージェントになる可能性も…」(CBS SPORTS)などのタイトルで報じている。

 アメリカのYAHOOスポーツは、本命候補の一つと見られていたサンフランシスコ・ジャイアンツの投手事情を交えながら、以下のように言及した。

「先発投手の補強が急務なジャイアンツは、日本で過去に2度のMVPに輝き、今オフの市場でトレバー・バウアーに次ぐ実力の先発投手であると考えられていた菅野に関心を持っていた。トロント・ブルージェイズ、ボストン・レッドソックス、ニューヨーク・メッツ、サンディエゴ・パドレスなどとともに、菅野の獲得候補の球団だと伝えられていたが、契約の合意に向けて進展しているようには見えなかった」
 
 また、『Baseball America』のスカウトレポートによる「菅野のスライダーは、おそらく日本で最高峰。彼はそれをプレートの両サイドに巧みにコントロールすることができる。菅野は昨シーズンにわずかながら球速を上昇させ、スプリットを増やし、カットボールやカーブ、そしてシュートなどを自在に操りながら、空振り三振を奪うことが増えた」という文言を引用し、「もし今シーズンにメジャーリーグ球団に入団していれば、ランキングの上位にランクされていただろう」と評価。さらに、「来シーズンにFA権を取得する菅野は、移籍金を支払うことなく、メジャーリーグへの移籍が可能になる。次のオフシーズンに、菅野が再挑戦を決意すれば、FA市場では数少ない最高の先発投手の1人としてみなされるに違いない」と、リベンジにも期待を寄せた。

 新型コロナウイルスの影響に伴い、例年にない穏やかな動きで進むストーブリーグ。その影響もあり、菅野は想定していたような契約を手にすることができなかった。残留という決断を下した新シーズン、日本でどのような投球を見せるのか。そのピッチングに注目したい。

文●白鳥純一(フリーライター)