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大谷翔平は今季年俸合意できず。希望額は3億4000万円、球団提示は2億6000万円。年俸調停は「人格攻撃」の危険も…

THE DIGEST編集部

2021.01.16

初の年俸調停権を取得した大谷だったが、両者の間で年俸の評価は差があったようだ。(C)Getty Images

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間15日、年俸調停の権利を保有する選手と所属球団が希望額を提出する期限を迎えたが、合意できずに終わったと現地各媒体が報じている。エンジェルスはこの日5選手と合意できたものの、大谷とは折り合わなかった。

『MLB.com』のマーク・ファインサンド記者によると、大谷サイドの希望額は330万ドル(約3億4000万円)、球団の提示額は250万ドル(約2億6000万円)と約8000万円の開きがあったようだ。年俸調停となれば金額は折衷案とはならず、どちらかの金額に落ち着く。

 事前の予想では300万ドル(約3億1000万円)前後と見られていたが、両者ともそこからやや"離れた"金額となった。もっとも、二刀流の大谷を巡っては過去のケースを適用することが難しく、予想サイトでも「この数字から大きく変わる可能性がある」とは言われていた。
 
 年俸調停の権利はサービスタイム(登録日数)が3年以上6年未満の選手に与えられる。海外FAの選手などを除き、基本的にはどれだけ活躍してもメジャー1~2年の選手は最低保証年俸に近い金額でプレーすることとなる。

 例えば、2017年に当時メジャー新人記録の52本塁打を放ったアーロン・ジャッジはMVP投票2位に入ったが、翌年の年俸は前年から約8万ドル増の62万2300ドル(約6460万円)に過ぎなかった。しかし、調停権を得た2020年は850万ドル(約8億8200万円)と一気に年俸が跳ね上がっている。

 果たして大谷も、労使協定の年齢制限で1年目の年俸は最低保障の54万5000ドル(約5640万円)、新人王を獲得した2年目は65万ドル(約6740万円)、昨季は70万ドル(約7260万円/試合数に比例し、約37%に減額)となっており、今季の年俸要求額は前年から約5倍、球団は3.7倍という形だった。

 調停に出席するのは選手本人と代理人、選手会の担当者、球団フロント、MLB機構の労務担当者、裁定人が3名。裁判に近い厳かな雰囲気の中で行われると言うが、過去に年俸調停を経験したトレバー・バウアーやデリン・ベタンセスらは、球団サイドからの「人格攻撃」に苦しんだという。ベタンセスは2017年当時ニューヨーク・ヤンキースに所属していたが、球団からは自身の不振で観客動員下落し、ポストシーズンで敗退したと1時間30分近く責められたそうだ。

 大谷とエンジェルスの"良好"な関係からは、彼らのようなことはないと思いたいが、初の年俸調停だけに気になるところだ。

構成●THE DIGEST編集部
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