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MLB

有原航平がレンジャーズを選んだ理由は?「プレーしやすい環境」と「ローテーション入りの可能性」

SLUGGER編集部

2020.12.26

日本ハムからポスティングを経てレンジャーズへ。有原はダルビッシュと同じルートでMLB入りを果たした。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

日本ハムからポスティングを経てレンジャーズへ。有原はダルビッシュと同じルートでMLB入りを果たした。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 日本ハムからMLB入りを目指していた有原航平の入団先がレンジャーズに決まった、と複数のアメリカメディアが報じている。

『ジ・アスレティック』によると、最終候補に残っていたのは他にパドレスとレッドソックスだったという。その中からレンジャーズを選んだということは、有原サイドが最も重視していたのは「ワールドチャンピオンになること」よりも「プレーしやすい環境」だったことがうかがえる。

 よく知られているように、レンジャーズは日本ハムと縁が深いチームだ。2011年には建山義紀、12年にはダルビッシュ有が日本ハムからレンジャーズへ移籍し、逆に今季まで日本ハムに在籍していたニック・マルティネスは、メジャー時代はレンジャーズでプレーしていた。GMも建山の渡米時から変わっておらず、言わば両チームは「気心知れた仲」。そんな気安さが、有原にとっても球団選びのポイントになったであろうことは想像に難くない。
 
 その一方で、現在のレンジャーズのチーム状況は芳しいとは言えない。今季は22勝38敗で地区最下位に低迷。しかも、オフに入ってエースのランス・リンをトレードで放出。伸び盛りの若手選手が多くいるわけでもなく、来季も苦戦を強いられる可能性が高い。状況としては、目先の勝敗よりも3~5年後に向けて立て直しを図る、いわゆる「再建モード」に入っている。この点は、今季、大躍進を遂げてリーグ優勝決定シリーズまで進出したパドレスとは対照的だ。

 ただ、これも有原にとってはチャンスでもある。プレーオフを争うチームであれば、先発陣に食い込むための競争も激しくなり、最初から結果も求められる。だが、再建中のチームであれば、ある程度の試行錯誤や失敗が許される。まずは先発投手として自らの地位を確立したい。そう考えるのなら、弱いチームからキャリアをスタートさせるのは決して悪い話ではない。

 こう考えていくと、「プレーしやすい環境」と「先発ローテーション入りのチャンス」という条件をどちらもクリアしているレンジャーズを選んだのは至極納得だ。

 契約期間は2年。この間にしっかりメジャーに適応し、結果も出した上で優勝を狙えるチームに移籍してキャリアアップを果たすことが、有原にとって理想のシナリオとなるだろう。

構成●SLUGGER編集部
 

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