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MLB

薬物疑惑と炎上発言…ボンズ、クレメンス、シリングが今回も殿堂入りできなかった理由〈SLUGGER〉

SLUGGER編集部

2021.01.27

左からシリング、ボンズ、クレメンス。いずれも1990年代~2000年代前半のMLBを代表するスーパースターだが、今年も殿堂入りできなかった。写真:Getty Images

左からシリング、ボンズ、クレメンス。いずれも1990年代~2000年代前半のMLBを代表するスーパースターだが、今年も殿堂入りできなかった。写真:Getty Images

 1月26日(現地)、全米野球記者協会(NBWAA)による2021年度の米野球殿堂入り投票の結果が発表され、どの候補も殿堂入りラインの得票率75%に誰も到達しなかったことが分かった。

 今回の投票では、バリー・ボンズとロジャー・クレメンス、そしてカート・シリングがどれだけ票を集めるかが注目されていた。

 ボンズは史上最多7度のMVPを獲得した強打者で、2001年には73本塁打を放ってMLBシーズン記録を更新。07年には先日亡くなったハンク・アーロンを追い抜いて通算本塁打数でも歴代1位に躍り出た。

“ロケット”の異名を取ったクレメンスのサイ・ヤング賞獲得7度も同じく史上最多。通算354勝は歴代9位、史上最多の1試合20奪三振を2度も記録するなど、こちらもMLB史上最高級の投手として歴史に名を刻む。

 だが、ボンズとクレメンスはステロイドを使用していた疑いが強く、アーロンも含め「球界の尊厳を踏みにじった選手」として激しい批判にさらされてきた。
 
 ボンズとクレメンスがステロイドを使用していたとされる時期はまだ薬物検査が行われておらず、すでに殿堂入りした選手の中にもステロイドの力を借りていた者がいることは確実とされている。また、アレックス・ロドリゲスやマニー・ラミレスと違い、どちらもMLBが公式に行った薬物検査で陽性反応が出たことはない。さらに、いずれも薬物を使い始めたとされる時期までにすでに殿堂入りに値する成績を残してたいことから、殿堂入りを支持する声もある。

 だが、今回もボンズとクレメンスの得票率はいずれも60%台前半で、昨年からほんのわずか上乗せしただけ。2人への拒否反応がいまだに強く残っていることを印象付ける結果となった。

 一方、シリングは通算216勝と実績ではボンズ、クレメンスに劣るものの、2001年のワールドシリーズでMVPに選ばれるなど、ポストシーズンで無類の強さを誇った。歴代15位の通算3116三振も含め、トータルの実績は殿堂入りに十分値するものだったが、こちらは引退後の数々の炎上発言がダメージになった。
 

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