「球春到来」。２月１日、2021シーズンのプロ野球キャンプがスタートする。コロナ禍でまだまだ不透明なところも多いが、この時点は全球団が"横一線"、どのチームも優勝のチャンスがある。だからこそ、春季キャンプではそれぞれの「長所」と「課題」をいかに伸ばして、解決していくのかがカギを握る。各球団の"見どころ"を探っていこう！

●新戦力の台頭

　昨年のドラフト会議で、巨人は史上最多の19人を指名した。注目は１軍メンバーに入った平内龍太と伊藤優輔。ともに最速156キロを誇るパワーピッチャーで、実戦でどんな投球を見せるか期待が高まる。一方、原辰徳監督から将来性を絶賛された中山礼都や秋広優人ら素材型も豊富。新人選手が阿部慎之助二軍監督のハードな打撃練習に悶絶する姿は大きな話題を集めるだろう。

　FAで獲得したDeNAの梶谷隆幸と井納翔一も注目の新戦力だ。梶谷に関しては、すでに原監督が１番で起用する方針を示しており、主力としての活躍が予想される。井納も若手が多い先発陣の中で貴重な存在になりうるはずだ。

　外国人選手ではメジャーでも実績十分のエリク・テームズとジャスティン・スモークを獲得した。しかし、新型コロナの影響で具体的な来日時期は未定。調整遅れも懸念される一方で、松原聖弥ら若手にとってはこれ以上ないチャンスが生まれた。新戦力が台頭するか、既存の選手たちが意地を見せるか。彼らの戦いからも目が離せない。

　新戦力は選手たちだけではない。今年は桑田真澄一軍投手チーフコーチ補佐を筆頭に、起亜タイガースで監督を務めた金杞泰が２軍のヘッドコーチとして、日本ボディビル選手権で９連覇を果たした鈴木雅がアドバイザーとして入閣。国や競技関係なく、とにかく優秀な人材を採用することで、真に強いチームを作り上げようとしている。彼らがどんな手腕を発揮してくれるかも、キャンプの見どころの一つだろう。
  ●育成選手の生存競争

　毎年、春季キャンプでは育成選手の支配下登録を懸けた熾烈な競争が繰り広げられる。昨年は沼田翔平とモタが春季キャンプで猛アピール。見事に支配下登録を勝ち取った。

　シーズン中に支配下へ上がるためには、ファームで圧倒的な成績を上げる必要があり、非常にハードルが高い。一方、春季キャンプはどの選手も調整段階のため、シーズンより結果を残しやすい。育成選手にとっては絶好のアピールの場と言ってよいだろう。

　現在、巨人は26人の育成選手を抱えている。すでに支配下登録選手は63人。どれだけ多くても７人しか支配下になることができない。果たして、今年は誰がこの激しい生存競争を生き残ることができるのだろうか。

文●巨人ファンによるデータ至上主義論

【著者プロフィール】
関西出身。父親の影響で６歳から野球を見始め、タフィ・ローズのホームランに魅了されて巨人ファンとなる。現在はnoteやツイッターでインフォグラフィックを駆使して巨人のデータを分かりやすく公開して好評を博している。ツイッターIDは「@beautifulsaturd」。

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