コロナ禍の終わりはまだ見えていないものの、アメリカでも「球春到来」。2月中旬からスプリング・トレーニングが開始され、4月1日の開幕に向けて全30球団が動き出している。中でも多くの注目を集めているチームが、サンディエゴ・パドレスだ。
昨シーズンに2006年以来となるポストシーズン出場を果たしたパドレスは、12月末に2018年ア・リーグのサイ・ヤング賞投手であるブレイク・スネルをトレードで獲得すると、その翌日には同賞で自身2度目の2位に入ったダルビッシュ有も補強。他にも若きスター、フェルナンド・タティースJr.と14年3億4000万ドルという延長契約を結び、球団初の世界一に向けてその動向が注目されている。
もっとも、パドレスが大補強を敢行した一方で“エース”を失ったチームもいる。言うまでもなく、ダルビッシュが昨季まで在籍していたシカゴ・カブスだ。そして、ダルビッシュのトレードから早2ヵ月が経とうしているが、その「悲しみ」はまだまだ癒えていないようである。
カブスの正三塁手であり15年新人王、16年にMVPを獲得したクリス・ブライアントは25日現地時間、ダルビッシュの放出に関して記者から訊かれると「本当に驚いたし、ダルビッシュがトレードされて悲しくなった」と素直にコメント。そしてこう続けた。「ダルビッシュはカブスで本領を発揮し始めたばかりだったのに……」。
ご存じの通り、ダルビッシュは昨年日本人投手初の最多勝を獲得した。しかし、カブスに6年1億2600万ドルで入団した18年は故障もあってわずか8登板に終わり、19年シーズンも前半戦は18先発で防御率5.01と結果を残せていなかった。ただ、同年後半戦は13先発で防御率2.76、K/BB16.86という驚異的なピッチングを見せると、20年にも快投を披露していったわけである。
逆に言えば、カブス在籍3年間でダルビッシュが活躍した姿を見せたのは「1年半」だったわけで、確かにブライアントの言う「本領を発揮し始めた」というのも、なるほどである。ブライアントに限らず、ダルビッシュのトレードは対価が見合っていないというのが現地メディアの見解の一致するところでもあり、不満の声も少なくない。もしダルビッシュが新天地でさらなる大活躍を見せるようなことがあれば、その“恨み”はどんどん膨らむこともありそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
昨シーズンに2006年以来となるポストシーズン出場を果たしたパドレスは、12月末に2018年ア・リーグのサイ・ヤング賞投手であるブレイク・スネルをトレードで獲得すると、その翌日には同賞で自身2度目の2位に入ったダルビッシュ有も補強。他にも若きスター、フェルナンド・タティースJr.と14年3億4000万ドルという延長契約を結び、球団初の世界一に向けてその動向が注目されている。
もっとも、パドレスが大補強を敢行した一方で“エース”を失ったチームもいる。言うまでもなく、ダルビッシュが昨季まで在籍していたシカゴ・カブスだ。そして、ダルビッシュのトレードから早2ヵ月が経とうしているが、その「悲しみ」はまだまだ癒えていないようである。
カブスの正三塁手であり15年新人王、16年にMVPを獲得したクリス・ブライアントは25日現地時間、ダルビッシュの放出に関して記者から訊かれると「本当に驚いたし、ダルビッシュがトレードされて悲しくなった」と素直にコメント。そしてこう続けた。「ダルビッシュはカブスで本領を発揮し始めたばかりだったのに……」。
ご存じの通り、ダルビッシュは昨年日本人投手初の最多勝を獲得した。しかし、カブスに6年1億2600万ドルで入団した18年は故障もあってわずか8登板に終わり、19年シーズンも前半戦は18先発で防御率5.01と結果を残せていなかった。ただ、同年後半戦は13先発で防御率2.76、K/BB16.86という驚異的なピッチングを見せると、20年にも快投を披露していったわけである。
逆に言えば、カブス在籍3年間でダルビッシュが活躍した姿を見せたのは「1年半」だったわけで、確かにブライアントの言う「本領を発揮し始めた」というのも、なるほどである。ブライアントに限らず、ダルビッシュのトレードは対価が見合っていないというのが現地メディアの見解の一致するところでもあり、不満の声も少なくない。もしダルビッシュが新天地でさらなる大活躍を見せるようなことがあれば、その“恨み”はどんどん膨らむこともありそうだ。
構成●THE DIGEST編集部