高校野球

【センバツ】大阪桐蔭vs智弁学園以外にも初日から激戦が!アマ野球ライター西尾典文が「注目6試合」の見どころをチェック

西尾典文

2021.03.02

大会注目の大阪桐蔭は智弁学園と対戦へ。果たして優勝はどこか。写真:徳原隆元

 2月23日に出場32校の組み合わせ抽選会が行われた今年の選抜高校野球。同じ県から2校出場している宮城(仙台育英・柴田)、兵庫(神戸国際大付・東播磨)、奈良(智弁学園・天理)以外は地域性を考慮しないフリー抽選ということもあって、いきなり同一地区同士の対戦も発生することとなった。今回はそんな1回戦の16試合の中から、特に注目の6試合をピックアップして見どころを紹介したい。

【第1日(3月19日)第1試合:神戸国際大付(兵庫)vs北海(北海道)】
 開幕カードからいきなりプロ注目のエース同士の対決となった。北海のサウスポー・木村大成は秋の北海道大会4試合を無失点。連戦となった準決勝、決勝を連続完封と抜群の安定感を誇る。田嶋大樹(オリックス)に雰囲気の似たフォームながら荒々しさはなく、コーナー、低めに投げ分ける制球力と左腕らしい角度のある140キロ台前半のストレートで三振の山を築く。

 一方、神戸国際大付の阪上翔也も140キロを超えるスピードが魅力の本格派右腕。少し上下動の大きいフォームながらリリースでボールを抑え込め、制球も悪くない。秋の時点での安定感では木村が上回るだけに、神戸国際大付は序盤の失点だけは避けたいところだ。
 
【第1日(3月19日)第2試合:明徳義塾(高知)vs仙台育英(宮城)】
 甲子園常連校で昨年秋の地区大会優勝校同士の対戦。明徳義塾はエース左腕の代木大和が大黒柱。スピードは130キロ台中盤ながら、安定した制球力を誇り、昨年秋は7試合で4完封をマークしている。一方の仙台育英はプロ注目のエース伊藤樹以外にも140キロを超える投手を複数揃え、東北大会4試合すべてを継投で勝ち上がってきた。下位にも力のある打者が多く、得点力も高い。

 総合力では仙台育英が一枚上だけに、ポイントとなるのは代木の出来だ。仙台育英が序盤に先制すればそのまま押し切る可能性が高いが、ロースコアのまま1点を争う展開になると、小技が持ち味の明徳義塾にも勝機が出てくるだろう。

【第4日(3月22日)第1試合:市和歌山(和歌山)vs県岐阜商(岐阜)】
 最大の注目は、大会ナンバーワン投手の呼び声高い市和歌山のエース小園健太だ。最速152キロという数字は"瞬間最大風速"で、アベレージは140キロ台前半から中盤だが、力を入れた時のボールはやはり威力十分。そして横に滑るカットボール、打者の手元で沈むツーシームはストレートと見分けがつきづらく、変化球の完成度は高校生離れしている。

 一方の県岐阜商も東海大会3試合で20点を奪った打線と、1年時からマウンド経験豊富な野崎慎裕、松野匠馬の左右の二枚看板を揃え、総合力は大会でも屈指。指揮するのは百戦錬磨の鍛治舎巧監督だけに、小園に簡単にひねられる姿は想像しづらい。市和歌山の松川虎生、県岐阜商の高木翔斗とともに、4番で主将を務める超高校級捕手に注がれるスカウト陣の視線は熱い。力的には五分でロースコアの接戦が予想されるが、守備や走塁のミスが勝敗の行方を左右することになりそうだ。