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ドラフト「1044位」からメジャー昇格を果たした投手が野茂英雄との秘話を告白「僕はノモのおかげで…」

THE DIGEST編集部

2021.03.11

身体を大きくねじる独特なトルネード投法で一世を風靡した野茂から恩恵を受けた投手がいた。 (C) Getty Images

 かつて"トルネード投法"で輝きを放った野茂英雄。両腕を高々と上げてから左足を上げ、身体を大きくひねって完全に打者へと背中を向ける独特な投球フォームと、150キロを超える速球と代名詞とも言える落差の大きいフォークで日米の一流打者たちから三振の山を築いた大投手だ。

 そんな往年のスターに人生を救われたと言っても過言ではない選手がいる。昨オフにパドレスからパイレーツに移籍したピッチャーのデビッド・ベッドナーである。

 2016年のドラフトでパドレスに35位指名(全体1044位)されるも、数年に渡って芽が出ずにマイナーで燻っていたベッドナー。そんな彼に救いの手を差し伸べたのが、同年からパドレスの特別アドバイザーを務めるようになっていた野茂だった。

 現在26歳の右腕は、パイレーツの地元ピッツバーグのスポーツチームを取り扱うポッドキャスト番組『93.7 The Fan』のなかで、「ノモのおかげで僕はビッグリーグ(メジャー)に行けるようになった」と、野茂との秘話を明かした。

「あの時の僕は、生き残っていくために決め球を探していた。その時にノモがチームに来たんだ。彼は僕にスプリットの投げ方を教えてくれて、そこから実戦でも使えるように本格的に取り組み始めたんだ。今の僕があるのは彼の指導のおかげだ」

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 さらに「ノモはとても親切だった」と振り返ったベッドナーは、こうも続けている。

「マイナーリーガーだった僕にも飾らずに接してくれたし、彼が近くにいる時はかならず練習に顔を出してくれた。それでいつも『どう投げたらいいか』、『ここを修正するべきだ』っていうアドバイスをくれるんだ。あの時に彼からスプリットを学べたのは間違いなくクールなことだったね」

 野茂直伝の変化球を武器にしたベッドナーは、マイナー通算奪三振率が12.41とハイアベレージに達するなど一気に台頭。2019年に夢だったメジャー昇格を果たした。

 今春には、キャンプ期間中にダルビッシュ有がフォークの投げ方を教わったことでも話題を呼んだ野茂。彼の伝家の宝刀は後輩たちへと脈々と受け継がれている。

構成●THE DIGEST編集部
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