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偉大なる二人の「ドクターK」。ランディ・ジョンソンと野茂英雄の尋常ならざる記録と共通点

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2020.05.19

2004年の今日、ランディ(右)が完全試合を達成。野茂(左)との共通点とは一体? (C)Getty Images

2004年の今日、ランディ(右)が完全試合を達成。野茂(左)との共通点とは一体? (C)Getty Images

 今から13年前の現地5月18日、球史に残る名左腕のランディ・ジョンソンに新たな勲章が加わった。2004年5月18日の敵地アトランタ・ブレーブス戦、当時アリゾナ・ダイヤモンドバックスに所属していたランディは、史上17度目&自身初となる完全試合を達成した。

 これは “ただ”の完全試合ではない。40歳8ヵ月での達成は、1901年のサイ・ヤング(37歳1ヵ月)の最高齢記録を大幅に更新。ランディはシアトル・マリナーズ時代の1990年にもノーヒッターを記録しており、ア・ナ両リーグでのノーヒッター達成も史上5人目というオマケ付きだった。

 そしてこのランディの記念すべき日、再びその功績に脚光が当たる形になったのは、日本が誇るパイオニアの野茂英雄である。

 ランディの前に両リーグでのノーヒッター達成した4人目の投手は、何を隠そう野茂である。ロサンゼルス・ドジャースでの2年目、1996年に敵地コロラド・ロッキーズ戦で一度目のノーヒッター(9回8奪三振4四球)。そして01年、ボストン・レッドソックスに加入した最初の試合での、敵地ボルティモア・オリオールズ戦で二度目の快挙(9回11奪三振3四球)を成し遂げるのだった。
 
 ランディの最高齢完全試合も相当に更新困難の記録であるが、野茂の「隠れた」記録も達成は難しいだろう。

 ご存知の方も多いだろうが、野茂の最初のノーヒッターを達成したクアーズ・フィールドは超打者有利の球場として名高い。標高1マイル(約1600m)の地点にあり、打球もよく飛びやすいことから“マイル・ハイ”と呼ばれるこの球場は、95年の開場以来、野茂を除いては誰一人としてノーヒッターが記録されていないのだ。

 さらに92年に開場したカムデンヤーズも、ノーヒッターが記録されたのはただの一度だけ。01年野茂以外に達成者はいないのである。

 史上最多9度の奪三振王に輝くランディと、95&01年の2度タイトルを獲得した野茂の共通点は、「ドクターK」「両リーグでのノーヒッター」以外にもう一つある。1995年、野茂が渡米1年目にオールスター・ゲームでナ・リーグの先発を任された時、ア・リーグの先発は他でもないランディだった。

 1990年に日米野球で来日したランディは、当時近鉄に在籍していた野茂の投球を見た時、「メジャーでやれるだけの力がある」と認めている。殿堂入り左腕の見立ては、当時から間違っていなかったのだ。

構成●SLUGGER編集部
 
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