第93回選抜高校野球大会（センバツ）は３月20日、甲子園球場で１回戦の３試合が開催され、天理（奈良）、鳥取城北（鳥取）、東海大相模（神奈川）がそれぞれ勝利を飾った。

　第１試合は、プロ注目の長身右腕、達孝太（３年）が躍動した。２回表に木下和輔（３年）と自身の連続タイムリーヒットで２点のリードをもらった天理の剛腕エースは、最速146キロの速球と切れ味鋭い変化球を武器に、８回まで毎回の10奪三振をマークした。

　そんなエースの好投に天理打線も奮起する。７回表に２死満塁から政所蒼太（３年）のレフト前への２点タイムリーヒットなどで４点を追加した。ナインの奮闘に達も宮崎商の反撃を８回裏の１点に抑えて、奈良の雄が勝ち抜けた。

　甲子園では1983年夏以来（選抜大会では史上初）となる東海大系列校同士の激突となった、東海大相模と東海大甲府の第３試合は、瓜二つのマリンブルーのユニホームを身にまとった両校の先発投手、石川永稀（３年／東海大相模）と若山恵斗（３年／東海大甲府）が立ち上がりからテンポ良く好投。ともに相手打線につけ入る隙を与えず、スコアボードには「０」が並んだ。

【毎日更新！センバツPHOTO】球児がきらめくセンバツのベストショットを一挙公開！ 　息詰まる投手戦の均衡を破ったのは、過去２度のセンバツ制覇を誇る東海大相模だった。７回表に２アウト２、３塁の好機を作ると、７番の綛田小瑛（３年）を迎えたところで相手バッテリーがワイルドピッチ。ここで３塁ランナーがホームへ戻って貴重な先制点を挙げた。

　均衡を破られた東海大甲府も主砲が意地を見せる。８回裏に１アウト２、３塁から４番の久井竣也（３年）がレフト前に１点タイムリーヒットを放って同点としたのだ。

　名門校同士の対戦にふさわしい緊張感のある攻防戦は延長戦で決着がつく。11回表、東海大相模は１アウト２塁から大塚瑠晏（３年）と柴田疾（３年）の連続タイムリーで勝ち越しに成功。その裏の東海大甲府の攻撃を９回からリリーフしたエースの石田隼都（３年）が危なげなく抑えて、３-１で接戦をモノにした。

■３月20日に行なわれた１回戦の結果■
天理（奈良） ７-１ 宮崎商（宮崎）
鳥取城北（鳥取） ６-２ 三島南（静岡）
東海大相模（神奈川） ３-１ 東海大甲府（山梨）

構成●THE DIGEST編集部