年間300試合以上を現地で取材するスポーツライターの西尾典文氏に、今月19日に開幕する選抜高校野球で、最も強烈なインパクトを残した現役選手(メジャーを含む)を投手、野手それぞれ5人ずつ振り返ってもらった。今回は野手編だ。
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自分がアマチュア野球の現場で本格的に取材を始めたのは2002年からだ。それ以降の選抜高校野球に出場した野手では、やはり2007年の中田翔(大阪桐蔭・現日本ハム)の印象が強い。
背番号17で出場した1年夏の甲子園でいきなり投打にわたる大活躍を見せると、2年夏にもバックスクリーン左へ特大の一発を放っている。そして3年春にエース・4番とし出場した2007年大会では、2回戦の佐野日大戦で2打席連続ホームランを放って見せた。
このときに打った相手の出井優太も140キロを超えるスピードを誇る好投手であり、高い注目と厳しいマークの中で満点の結果を出せるのはさすがという他ない。中田本人は高校時代、打者としてそこまで考えずに取り組んでいたと話しており、この大会は投手としても活躍している。もっと早く野手に専念していたら、さらに手の付けられない打者になっていた可能性は高いだろう。
右のスラッガーでもう一人思い浮かぶのが2014年の岡本和真(智弁学園・現巨人)だ。大会前から注目度は高かったが、初戦となった三重戦の第1打席、高めのストレートを捉えていきなりバックスクリーンへのホームランを放つと、続く打席では鋭い当たりのセンター前ヒット。そして第3打席では、インハイのボールをレフトへ高々と打ち上げ、この日2本目の本塁打を叩き込んだ。
相手投手の今井重太朗は、球速はそれほどではないものの、この年の夏の甲子園でチームを決勝に導いた好投手。ボールの出所の見づらいフォームも持ち味だったが、それをものともせずに打ち砕いた岡本の打撃には驚かされた。続く2回戦では田嶋大樹(佐野日大・現オリックス)の前に1安打に終わったものの、残したインパクトでは中田と双璧と言えるだろう。
下級生とは思えないバッティングを見せたのが、2005年の田中大二郎(東海大相模・元巨人)だ。2年生ながら「4番・一塁」で出場した田中を初戦の三本松戦の第1打席で見た時、筆者は「構え、タイミングの取り方からいかにも打ちそうな雰囲気がある」とノートにメモしていた。
そして次の瞬間、振り抜いた打球はライトスタンドへのホームランとなっていた。無駄な動きのないスウイングでヘッドがきれいに抜け、浜風をものともしない打球の勢いはとても2年生とは思えないものだった。
また相手投手は左のスリークォーターの技巧派だったが、それに惑わされない技術の高さも光った。チームは2回戦で敗れたものの、その試合でも大会屈指の好投手である木下達生(東邦・元ヤクルト)から一発を放っている。プロでは結果を残すことができなかったが、選抜で残したインパクトは強烈だった。
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自分がアマチュア野球の現場で本格的に取材を始めたのは2002年からだ。それ以降の選抜高校野球に出場した野手では、やはり2007年の中田翔(大阪桐蔭・現日本ハム)の印象が強い。
背番号17で出場した1年夏の甲子園でいきなり投打にわたる大活躍を見せると、2年夏にもバックスクリーン左へ特大の一発を放っている。そして3年春にエース・4番とし出場した2007年大会では、2回戦の佐野日大戦で2打席連続ホームランを放って見せた。
このときに打った相手の出井優太も140キロを超えるスピードを誇る好投手であり、高い注目と厳しいマークの中で満点の結果を出せるのはさすがという他ない。中田本人は高校時代、打者としてそこまで考えずに取り組んでいたと話しており、この大会は投手としても活躍している。もっと早く野手に専念していたら、さらに手の付けられない打者になっていた可能性は高いだろう。
右のスラッガーでもう一人思い浮かぶのが2014年の岡本和真(智弁学園・現巨人)だ。大会前から注目度は高かったが、初戦となった三重戦の第1打席、高めのストレートを捉えていきなりバックスクリーンへのホームランを放つと、続く打席では鋭い当たりのセンター前ヒット。そして第3打席では、インハイのボールをレフトへ高々と打ち上げ、この日2本目の本塁打を叩き込んだ。
相手投手の今井重太朗は、球速はそれほどではないものの、この年の夏の甲子園でチームを決勝に導いた好投手。ボールの出所の見づらいフォームも持ち味だったが、それをものともせずに打ち砕いた岡本の打撃には驚かされた。続く2回戦では田嶋大樹(佐野日大・現オリックス)の前に1安打に終わったものの、残したインパクトでは中田と双璧と言えるだろう。
下級生とは思えないバッティングを見せたのが、2005年の田中大二郎(東海大相模・元巨人)だ。2年生ながら「4番・一塁」で出場した田中を初戦の三本松戦の第1打席で見た時、筆者は「構え、タイミングの取り方からいかにも打ちそうな雰囲気がある」とノートにメモしていた。
そして次の瞬間、振り抜いた打球はライトスタンドへのホームランとなっていた。無駄な動きのないスウイングでヘッドがきれいに抜け、浜風をものともしない打球の勢いはとても2年生とは思えないものだった。
また相手投手は左のスリークォーターの技巧派だったが、それに惑わされない技術の高さも光った。チームは2回戦で敗れたものの、その試合でも大会屈指の好投手である木下達生(東邦・元ヤクルト)から一発を放っている。プロでは結果を残すことができなかったが、選抜で残したインパクトは強烈だった。
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