日本高野連は2日目第1試合後の監督インタビューを聞いていただろうか。
この試合は勝利した天理・達孝太投手が宮崎商を相手に9回6安打1失点完投。球数は161にまで達していたのだが、報道陣から矢継ぎ早に達の投球数や完投について尋ねられた天理・中村良二監督はこう答えたのである。
「得点差は6点ありましたけど、宮崎商業さんは県大会で6点差を逆転してきている。どういう展開になっても、達を交代させる気はなかったですね」
まだ成長段階にある高校生が150球以上の球数を投じる。それも、今年の公式戦初マウンドでのことだ。
大会初日の開幕戦でも北海の左腕・木村大成が150球近くを投げたが、試合展開によって指揮官たちの決断が難しくなるケースもある。北海のケースはサヨナラの場面だが、天理は相手チームの過去の戦いぶりから慎重になった。指揮官たちは試合の勝利を優先し、最悪の事態まで想定する。高校野球が常にトーナメントで戦っている以上、必然的に「負けられない戦い」になるのだ。
いまだ収まることがない「エース依存」による登板過多は、高校野球のシステムそのものに起因していると言える。
高校野球での登板過多は、センバツ大会でも意外に多い。
鮮烈な記憶に残るところでは、2013年の2回戦・済美対広陵戦で、済美のエース・安楽智大(現楽天)が234球を投げたケースである。延長戦までもつれた試合で、交代機を逸してしまったために起きたものだった。この他にも、17年には4人の投手が1試合190球以上を投げている。
センバツがエースに頼り切りになりやすいのは、そこに至るまでに複数の投手を試す機会が少ないためだ。
高校野球の新チームの初公式戦は夏の甲子園が終わるか、終わらないうちにスタートする秋季大会からだ。早い地区では夏の甲子園の真っ最中に、秋の敗退が決まってしまうこともある。つまり、最初の段階からすぐ「負けられない戦い」が始まっているということだ。
この試合は勝利した天理・達孝太投手が宮崎商を相手に9回6安打1失点完投。球数は161にまで達していたのだが、報道陣から矢継ぎ早に達の投球数や完投について尋ねられた天理・中村良二監督はこう答えたのである。
「得点差は6点ありましたけど、宮崎商業さんは県大会で6点差を逆転してきている。どういう展開になっても、達を交代させる気はなかったですね」
まだ成長段階にある高校生が150球以上の球数を投じる。それも、今年の公式戦初マウンドでのことだ。
大会初日の開幕戦でも北海の左腕・木村大成が150球近くを投げたが、試合展開によって指揮官たちの決断が難しくなるケースもある。北海のケースはサヨナラの場面だが、天理は相手チームの過去の戦いぶりから慎重になった。指揮官たちは試合の勝利を優先し、最悪の事態まで想定する。高校野球が常にトーナメントで戦っている以上、必然的に「負けられない戦い」になるのだ。
いまだ収まることがない「エース依存」による登板過多は、高校野球のシステムそのものに起因していると言える。
高校野球での登板過多は、センバツ大会でも意外に多い。
鮮烈な記憶に残るところでは、2013年の2回戦・済美対広陵戦で、済美のエース・安楽智大(現楽天)が234球を投げたケースである。延長戦までもつれた試合で、交代機を逸してしまったために起きたものだった。この他にも、17年には4人の投手が1試合190球以上を投げている。
センバツがエースに頼り切りになりやすいのは、そこに至るまでに複数の投手を試す機会が少ないためだ。
高校野球の新チームの初公式戦は夏の甲子園が終わるか、終わらないうちにスタートする秋季大会からだ。早い地区では夏の甲子園の真っ最中に、秋の敗退が決まってしまうこともある。つまり、最初の段階からすぐ「負けられない戦い」が始まっているということだ。