プロ野球

【2021展望:オリックス】宮城、太田ら“若手強化指定選手”は結果を残せるか。2年目ジョーンズにも期待

藤原彬

2021.03.23

高卒2年目の宮城はオープン戦絶好調。新人王候補にも挙げられている。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 いよいよ2021年のプロ野球が開幕する。頂点を目指す12球団それぞれの浮沈を左右するキーポイントとは一体どこなのか。注目選手も含め、球団ごとに見ていこう。

【2020年成績】
勝敗:45勝68敗7分(6位)
得点:442(6位)
失点:502(5位)
得失点差:-60(5位)

【展望】
 2年続けて最下位に沈んでいるが、個々を見ていくと楽しみな選手が多い。先発投手陣は山本由伸、山岡泰輔の先発二枚看板が強力。昨年、成長の跡を見せた田嶋大樹、山崎福也の頑張り次第ではさらに戦力が向上する。打線は首位打者を獲得した吉田正尚の孤立をどう防ぐかがテーマ。T-岡田や2年目のジョーンズ、出戻りのロメロらの働きがカギになる。投打に伸び盛りの選手が多く、中嶋聡監督の積極的な若手登用策がハマれば、パ・リーグのダークホースになるかもしれない。
 
【2021年のキーポイント】
●宮城ら"若手強化指定選手"たちの成長

 今季だけでなく、向こう数年も「若手の成長」がチームの命運を握る。特に、プロ3年目の太田椋と頓宮裕真、2年目の宮城と紅林弘太郎は今季、一軍での出場機会を優先的に増やされそうだ。ただ、オープン戦で太田と紅林は力負けする打席が目立ち、頓宮もチーム最多の3本塁打は放ちながら粗さを残している。宮城は年齢離れした投球を続けて開幕2戦目の先発を射止めたが、10代の選手に過度な期待と負担は禁物だろう。

 4人ともまだ一軍の確固たる実績はなく、うまくいけばチームの総合力が大幅に伸びるが、誰も戦力にならない可能性もある。目先の勝利が必要な展開になれば、計算できる中堅・ベテランのフォローも欠かせない。「勝利」と「育成」の両立を追及する中嶋監督は、その比重を状況に応じて調整するバランス感覚が長けている。より緻密な舵取りと一層の我慢が求められそうな指揮官の起用に、若手はどれだけ応えられるだろうか。
 
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1、2番打者の出塁率が得点力を左右する