昨年9月24日の通算2000安打(捕手では史上12人目)に続き、ヤディアー・モリーナ(カーディナルス)がまた一つ、マイルストーンに到達した。4月14日、捕手としての通算出場が2000試合に達したのだ。これは史上5人目の偉業だ。
モリーナ以前に2000安打&2000試合出場の両方を達成したのは、ゲリー・カーター(2092安打/2056試合)、カールトン・フィスク(2356安打/2226試合)、イバン・ロドリゲス(2844安打/2427試合)、ジェイソン・ケンドール(2195安打/2025試合)の4人しかいない。現ヤンキース監督の父でもあるボブ・ブーンは捕手として2225試合に出場したが、2000安打には162本足りなかった。
ちなみに、モリーナの兄2人の通算安打と捕手出場は、長兄のベンジーが1371本と1285試合、次兄のホゼは592本と915試合だ。捕手3兄弟の末弟であるモリーナは、プロ入り以来カーディナルスひと筋で過ごしてきた。1チームで捕手出場2000試合は、史上初の快挙だ。
さらにモリーナは、こちらもカーディナルスひと筋の投手アダム・ウェインライトとともに、こんな記録も残している。2人が先発バッテリーを組んだのは、通算277試合を数える(他にポストシーズンで14試合)が、これは1900年以降では6番目に多い数字だ。
現役で2人に次いで多いのは、マディソン・バムガーナーとバスター・ポージーがジャイアンツで組んだ226試合だが、バムガーナーは2020年からダイヤモンドバックスで投げており、モリーナとウェインライトの試合数を超える可能性はもはや限りなく低い。
モリーナが捕手出場2000試合目に先発バッテリーを組んだのは、他ならぬウェインライトだ。ウェインライトが投げた初球を、モリーナは一塁側のダグアウトへ放った。そこでスタンディング・オベーションが始まると、モリーナはマスクを外してミットを上げ、喝采に応えた。ウェインライトも満面の笑みを浮かべながら、「もっと喝采を」と言わんばかりに両腕を何度か上下させ、長年にわたる相棒の偉大な記録を称えた。
7月で39歳になるモリーナだが、今季も不動の正捕手として君臨している。4月17日のフィリーズ戦では1試合2本塁打を放つなど、攻守に存在感は健在だ。果たして、出場試合数と安打数のマイルストーンはどこまで伸ばすことができるのか。現役最高の捕手の今後には、まだまだ目が離せない。
文●宇根夏樹
【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
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モリーナ以前に2000安打&2000試合出場の両方を達成したのは、ゲリー・カーター(2092安打/2056試合)、カールトン・フィスク(2356安打/2226試合)、イバン・ロドリゲス(2844安打/2427試合)、ジェイソン・ケンドール(2195安打/2025試合)の4人しかいない。現ヤンキース監督の父でもあるボブ・ブーンは捕手として2225試合に出場したが、2000安打には162本足りなかった。
ちなみに、モリーナの兄2人の通算安打と捕手出場は、長兄のベンジーが1371本と1285試合、次兄のホゼは592本と915試合だ。捕手3兄弟の末弟であるモリーナは、プロ入り以来カーディナルスひと筋で過ごしてきた。1チームで捕手出場2000試合は、史上初の快挙だ。
さらにモリーナは、こちらもカーディナルスひと筋の投手アダム・ウェインライトとともに、こんな記録も残している。2人が先発バッテリーを組んだのは、通算277試合を数える(他にポストシーズンで14試合)が、これは1900年以降では6番目に多い数字だ。
現役で2人に次いで多いのは、マディソン・バムガーナーとバスター・ポージーがジャイアンツで組んだ226試合だが、バムガーナーは2020年からダイヤモンドバックスで投げており、モリーナとウェインライトの試合数を超える可能性はもはや限りなく低い。
モリーナが捕手出場2000試合目に先発バッテリーを組んだのは、他ならぬウェインライトだ。ウェインライトが投げた初球を、モリーナは一塁側のダグアウトへ放った。そこでスタンディング・オベーションが始まると、モリーナはマスクを外してミットを上げ、喝采に応えた。ウェインライトも満面の笑みを浮かべながら、「もっと喝采を」と言わんばかりに両腕を何度か上下させ、長年にわたる相棒の偉大な記録を称えた。
7月で39歳になるモリーナだが、今季も不動の正捕手として君臨している。4月17日のフィリーズ戦では1試合2本塁打を放つなど、攻守に存在感は健在だ。果たして、出場試合数と安打数のマイルストーンはどこまで伸ばすことができるのか。現役最高の捕手の今後には、まだまだ目が離せない。
文●宇根夏樹
【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
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