4月1日に幕を開けたメジャーリーグ。まだコロナ禍の影響はあるものの、各地で熱戦が繰り広げられ、ファンも熱狂している。そして、この男の活躍もまた、日米の野球ファンを大いに沸かせている。
大谷翔平――ロサンゼルス・エンジェルス所属の天才二刀流プレーヤーだ。
昨年はトミー・ジョン手術からの復帰イヤーとして投打両方の活躍が期待されたが、調整不足が祟ってともに大不振。しかし、オフに下半身を中心にトレーニングを積むと、オープン戦からパワーの増した肉体で長打を量産し、投げても100マイル超え(161キロ)を連発して復活を印象付けた。
そして開幕するや、2試合目でメジャー屈指の守護神であるリアム・ヘンドリクス(シカゴ・ホワイトソックス)から今季第1号。その2日後の4月4日同カードでは、メジャー118年ぶりに「2番・投手」で出場して初回に特大アーチ、あと1死で勝利投手は逃したものの、最速101.1マイル(約162.7キロ)を計測する衝撃的な活躍を見せたのである。
現地時間20日には今季2先発目のマウンドに上がり、7四死球を出しながらも4回1安打無失点。そして翌21日は「2番・DH」で出場すると、3回の第2打席に日米通算100号となる今季第5号アーチと、またも度肝を抜くパフォーマンスを披露したのだった。
もちろん、”魅せる”だけでとどまらないのが大谷の凄さだ。オープン戦から好調だったバッティングは、開幕2試合目でOPS(出塁率+長打率)1.000を超えると、21日の試合を終えてもア・リーグ7位となる1.044と高水準をマークしている。
そしてピッチングでも、2試合(8.2回)を投げて11四球を与えているものの、防御率は1.04。この投打で残している数字に、データアナリストとして有名なジェレミー・フランク氏は「ショウヘイ・オオタニのOPSがERA(防御率)より上だ」と驚愕したのだった。
OPSは.900を超えるとかなり優秀な数字であり、1.000以上ともなれば球界有数の打者と言える。例えば昨年、1.000以上をマークしたのは両リーグで4人だけ、2019年は6人、18年は4人だった。一方で防御率1点台の難易度は言うまでもない。2点台を記録することも相当に難しい。だからこそ、「1を超えるのが困難」なOPSで、「1より数字がすぐ悪くなる」防御率を上回っていることに、有識者も驚かざるを得なかったというわけだ。
もちろん、まだサンプルが少ないものの、4月下旬になっても維持しているのは見事という他なく、そもそも、この両部門で話題になること自体も大谷の凄さでもある。ちなみに、大谷と同じように投打で驚異的な成績を残している選手がいる。“メジャー最強投手”、ジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ)だ。
先日、9者連続奪三振の快投を見せるなど開幕から打者を圧倒しているデグロムは、今季3先発(20.0回)を投げて防御率0.45、35三振をマーク。そして、大学時代は遊撃手としても活躍した”二刀流”とあってバッティングも得意で、今季は3試合ともヒットを放って7打席ながら打率.571、OPS1.143と自援護している。
大谷とデグロムがなぜ開幕から注目を集めているのか。それがうかがい知れる数字がそこにあった。
構成●THE DIGEST編集部
大谷翔平――ロサンゼルス・エンジェルス所属の天才二刀流プレーヤーだ。
昨年はトミー・ジョン手術からの復帰イヤーとして投打両方の活躍が期待されたが、調整不足が祟ってともに大不振。しかし、オフに下半身を中心にトレーニングを積むと、オープン戦からパワーの増した肉体で長打を量産し、投げても100マイル超え(161キロ)を連発して復活を印象付けた。
そして開幕するや、2試合目でメジャー屈指の守護神であるリアム・ヘンドリクス(シカゴ・ホワイトソックス)から今季第1号。その2日後の4月4日同カードでは、メジャー118年ぶりに「2番・投手」で出場して初回に特大アーチ、あと1死で勝利投手は逃したものの、最速101.1マイル(約162.7キロ)を計測する衝撃的な活躍を見せたのである。
現地時間20日には今季2先発目のマウンドに上がり、7四死球を出しながらも4回1安打無失点。そして翌21日は「2番・DH」で出場すると、3回の第2打席に日米通算100号となる今季第5号アーチと、またも度肝を抜くパフォーマンスを披露したのだった。
もちろん、”魅せる”だけでとどまらないのが大谷の凄さだ。オープン戦から好調だったバッティングは、開幕2試合目でOPS(出塁率+長打率)1.000を超えると、21日の試合を終えてもア・リーグ7位となる1.044と高水準をマークしている。
そしてピッチングでも、2試合(8.2回)を投げて11四球を与えているものの、防御率は1.04。この投打で残している数字に、データアナリストとして有名なジェレミー・フランク氏は「ショウヘイ・オオタニのOPSがERA(防御率)より上だ」と驚愕したのだった。
OPSは.900を超えるとかなり優秀な数字であり、1.000以上ともなれば球界有数の打者と言える。例えば昨年、1.000以上をマークしたのは両リーグで4人だけ、2019年は6人、18年は4人だった。一方で防御率1点台の難易度は言うまでもない。2点台を記録することも相当に難しい。だからこそ、「1を超えるのが困難」なOPSで、「1より数字がすぐ悪くなる」防御率を上回っていることに、有識者も驚かざるを得なかったというわけだ。
もちろん、まだサンプルが少ないものの、4月下旬になっても維持しているのは見事という他なく、そもそも、この両部門で話題になること自体も大谷の凄さでもある。ちなみに、大谷と同じように投打で驚異的な成績を残している選手がいる。“メジャー最強投手”、ジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ)だ。
先日、9者連続奪三振の快投を見せるなど開幕から打者を圧倒しているデグロムは、今季3先発(20.0回)を投げて防御率0.45、35三振をマーク。そして、大学時代は遊撃手としても活躍した”二刀流”とあってバッティングも得意で、今季は3試合ともヒットを放って7打席ながら打率.571、OPS1.143と自援護している。
大谷とデグロムがなぜ開幕から注目を集めているのか。それがうかがい知れる数字がそこにあった。
構成●THE DIGEST編集部