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追い込めば打者は降参!? 大谷翔平、メジャー3位の「2ストライク被打率」

THE DIGEST編集部

2021.05.07

まだ完全には遠い出来でも、その球威は間違いなくメジャートップクラスだ。(C)Getty Images

まだ完全には遠い出来でも、その球威は間違いなくメジャートップクラスだ。(C)Getty Images

 惜しくも白星は逃したが、そのピッチングは“支配的”だった。

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間5月5日、本拠地で行なわれたタンパベイ・レイズ戦に先発。リアル二刀流ではなく投手一本に絞った登板は、5.0回を投げて6四球を与えながらも、被安打1の無失点、7三振を奪って見せた。

 初回先頭打者にストレートのフォアボール、6回も2者連続四球で降板するなど計7四球と、この日もコントロールは荒れていたが、それでも打たれた安打はわずか1本であり、無失点に抑えたのはさすが(審判が明らかなストライクをボールとジャッジした場面もあった)。

 被打率.113は規定投球回不足ではあるものの、5日にノーヒッターを達成したジョン・ミーンズ(ボルティモア・オリオールズ/.135)、“最強投手”ジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ/.136)を凌ぐ数字であり、その球威はトミー・ジョン手術からの実質復帰1年目としては十分すぎるものを披露している。そして、大谷の凄さを後押しするデータが「2ストライク被打率」だ。
 
 2ストライクカウントでの対戦打席40以上の投手のうち、大谷の「被打率.026」はメジャー3位と、追い込んだら打者にほとんど仕事をさせていないのだ。ここまで38打数で打たれた安打は、4月20日テキサス・レンジャーズ戦でブロック・ホルトにフルカウントからセンター前に運ばれた1本のみ。

 大谷より優秀な数字を残している投手(マット・バーンズ/ボストン・レッドソックス、ジェームズ・カリンチャック/クリーブランド・インディアンス)はいずれもクローザーであることを考えると、大谷がいかに“異常”なのかが伝わるだろう。

 ひとたび追い込んでしまえば、大谷はいまだ被打率.000(!)、空振り/スウィング率61.5%(!)の悪魔的なスプリッターがあるため、驚異的な2ストライク被打率を誇っているわけである。本人も認めるように四球の多さで長いイニングを投げられないことが課題なのは間違いない。しかし同時に、今これだけ荒れながらも抑えられているのは伸びしろを感じさせる。

「ストライクさえ入れば……」。もし大谷が数少ない弱点を克服した時には、サイ・ヤング賞を獲得しても何ら不思議ではない。

構成●THE DIGEST編集部
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