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「ベーブ・ルースの記憶を呼び起こす」大谷翔平、二刀流の活躍に米専門メディアが最敬礼!“野球の神様”以来となる大記録への期待

THE DIGEST編集部

2021.05.26

二刀流で今季歴史的なシーズンを送っている大谷。その価値はデータから見ても、相当に“異常”なことだったようだ。(C)Getty Images

  シーズン開幕前から注目を集め続け、見事期待に応えている大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)。トミー・ジョン手術からの本格復帰となったメジャー4年目の今季は、二刀流として躍動している。

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 打ってはメジャー2位となる14本塁打を放ち、ホームラン王争いに参戦(現地時間5月24日時点)。投げても6先発して1勝0敗、防御率2.37、実質リーグ2位の奪三振率13.35と、相手投手も相手打者も牛耳る活躍を見せている。

 そんな天才プレーヤーに対して、現地ニュースメディア『FiveThirtyEight』は24日、「次代のベーブ・ルースと呼ばれたショウヘイ・オオタニが今季、そのベールを脱いでいる」として特集記事を寄稿。その中で、"野球の神様"以来となる大記録が誕生するのではと期待を寄せている。

 メジャーリーグで現在、最も重要視されている指標として「WAR」(Wins Above Replacement)というものがある。簡単に言えば、打撃・守備・走塁・投球すべてを得点に換算し、どれだけチームの勝利に貢献できるのかを示したものだ。一つの目安として、8.0~がMVP級、5.0~はオールスター、2.0がレギュラーといった形だ。

 有力データサイト『FanGraphs』『Baseball-Reference』の数字を用いると、大谷は現在のペースでWAR7.9(野手として5.02、投手として2.90)の見込み。つまり、堂々のMVP候補と言えるわけである。そして、この投打の数字を残した時、大谷は"史上5人目"の偉業も達成されるというのだ。
 
『FiveThirtyEight』によると、打者・投手ともにWAR2.0(162試合換算)以上を記録したことがあるのは以下の4人だけ。1918年のルース(6.35/2.45)、1935年のウェス・フェレル(2.64/7.18)、1955年のドン・ニューカム(2.41/3.97)、1965年のドン・ドライスデール(2.31/3.33)だ。

 もっとも、ニューカムとドライスデールはその年に20勝以上を上げるなど、主な仕事は先発投手。前者は125打席で打率.359、7本塁打、OPS1.028と驚異の打棒を披露し、後者も代打として14回起用されてはいたものの、キャリアを通じて他の守備ポジションをこなしたことはない。フェレルも、35年は25勝で最多勝のタイトルを獲得しつつ7本塁打と投打で活躍。ニューカムらと異なり、外野守備もこなしたことはあったが、やはりメインは投手だった。
 
 一方、18年のルースは19試合に先発マウンドに上がりつつ、外野で59試合、一塁で13試合と正真正銘の二刀流としてプレー。現在の大谷の起用に最も近い存在は、やはり"神様"しかいないのだ。

 だからこそ、同サイトでは、過去に投打ともにWAR2.0以上を記録した選手はいたとしているが、こう記している。「今季のオオタニの活躍は、ボストン・レッドソックス晩年のルースの記憶を呼び起こしている」。

 データでも明らかになる二刀流の凄さと希少性。それはやはり、歴史的に見ても偉大なことだった。大谷が今後も健康を保ち続ければ、偉業達成は間違いない。そして見込みを上回るWARを記録できた時、ルースのようにMVPを受賞することも夢物語ではないはずだ。

構成●THE DIGEST編集部

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